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「で、今度は何を悩んでるの？」
「え・・・。」
「はぐらかしてもダメ。
わかるよ、何年Aを見てると思ってるの？
好きなひといるんでしょ？」
さすがだな
やっぱり経験値の違いだわ・・・。
典子には私の恋愛なんて高校生のそれにしか見えないんだろう。
昔は何かと相談もしていたけど、今回はあんまり出来ない。
典子にしてみれば相談してくると思っているだろうから、どうやったら嘘をつかずにはぐらかすか、思案のしどころだ。
「ん・・・。」
「なあに、歯切れ悪いわね。
・・・まさかひとに言えない恋愛ってやつじゃないでしょうね？」
ん、まあ言えない恋愛ではあるんだけどね、典子の思っているだろう不倫ではないよ。
「違う違う・・・。
そんなの私がするわけないじゃない。
ただ・・・この歳で将来を気にしない恋愛は出来ないだろうなって。」
「ああ・・・そういうこと。
まあね。だんだん厳しくなってきてるわよね。
でもひとそれぞれでしょ？
今は結婚て形態をとらないのも珍しいことじゃないしね。」
典子の言うことはもっともだけど、ね。
「相手のひと、その気なさそうなの？」
「・・・そんなのまだ・・・。」
「話してみてもいいかも。
この歳だから、将来のことを考えながら付き合いたいって。」
それが出来る相手ならね。
じっくり話したつもりだったけど、普段の生活に戻ってひとりになると、まだまだ話さなきゃいけないことがあるって気づいてしまう。
「でも・・・こんな私を選んでくれたのに、そんなこと言って嫌われないかって考えちゃう。」
「真面目だねぇ、相変わらず。
まっ、昼休みに話せるのはこのくらいかな。
あんまり暗い顔、見せない方がいいよ。」
あの公園で出会ってから芽生えた想いに悩んで、想いが通じてもまた違う悩みに泣きそうになって、智くんが知ったらあのふにゃんとした笑顔を曇らせてしまうかもしれない。
そんなこと、出来ないよ・・・
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作者名：Fg | 作成日時：2014年7月10日 10時
