哀しいくらいきみが好きだから(S.O) (ページ49)

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「ち、ちげぇよ！
誤解、うん、そう、誤解！」

慌てまくってる大野くんが可愛くて、少しだけ気持ちが治まってきた。

癒しの効果、半端ないのよねぇ・・・このひと

「男と・・・一緒のとこ、見たことあるからさ・・・。
そん時は・・・彼氏だと思ったもん」

「男？」

どこでそんなところ？
男って・・・もしかして？

「タクシー乗ってて・・・交差点とかで停まってる時。」

首を傾げた私に、説明をしてくれる。

やっぱり・・・渉くんと会った日のことだ・・・。

「・・・それは・・・昔からの幼なじみっていうか・・・同級生っていうか・・・。」

告白されてます、なんて言えないわよねぇ・・・。

「仲、良さそうだったから・・・てっきり・・・恋人かと・・・。」

そうか・・・
周りからはそう見えるんだ・・・
何も知らない大野くんが勘違いしたのも当然なんだね

「クラスもほとんど一緒で・・・腐れ縁みたいな感じなんで・・・。」

あれ？
何で言い訳みたいなことしてるんだろう？
・・・それより・・・

「ふぅん・・・。」

「大野くんは・・・恋人がいるかもしれないって思いながら・・・その・・・私を・・・。」

「言ったじゃん、ヤなら逃げてって。」

急に真顔になる大野くんにまたドキッとしたりして・・・。

「っ・・・。」

確かに・・・
でも恋人がいるかもしれないのに、抱いたりしちゃうんだ・・・
拒絶されなかったら関係ないんだ・・・

このひとは一体どういうひとなんだろう・・・。

アイドルじゃない素の大野くんは。

出会ってからの時間じゃこのひとを理解しきれてない、きっと。

知りたい気持ちもあるけど、怖いっていう気持ちもある。

「今日はそれも確かめときたくてさ。」

大野くんはまたふにゃんって笑った。

「・・・いるかいないかだったら・・・いないです。
・・・でも・・・」

思わす言いそうになった私の唇は、大野くんにふさがれてしまった。