哀しいくらいきみが好きだから(S.O) (ページ45)

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朝起きてすぐスマホをチェックしたけど、誰からもメッセージは来てなかった。

大野くんからの連絡を待ってるわけじゃない。

それはそれでいい・・・んだけど、夕べ美歩を送ってったはずの渉くんからの連絡もない。

今日が休みだから、安心してまだ寝てるのかな。

大体美歩は何で直接連絡して来ないで、渉くんに３人で会うセッティングを頼んだんだろう？

クラスメイトだったんだから連絡先を知っててもおかしくないけど、いつもなら私の方に電話して来るのに。

連絡取り合ってんのかな？

ふとそんなこと思ったけど、どうでもいい。

来ないんならこっちから聞けばいいんだ。

『夕べはお疲れ様
美歩は大丈夫だった？』

寝てたら返事は遅いかもって思いながら送ったメッセージに既読がついたのは、夕方だった。

『お疲れさん、神田は無事送り届けたよ』

何でもない文なのに何となく違和感を感じた。

何だろう・・・うまく言えないけど・・・。

スマホを見ながら考えていたら、またLINEの通知。

『会いたいんだけど』

大野くんの、顔が赤くなっちゃうようなストレートな言葉。

読んでるそばから追加されるメッセージ。

『我慢出来ねぇんだけど』

『そう思ってんのおいらだけ？』

今まで渉くんのことを考えていたくせに、それだけで大野くんのことに意識が切り替わる。

私って何て単純なんだろう・・・。

前からずっと好きだった違う世界のひと。

絶対会えるわけないって思ってたのに、偶然にも出会って言葉を交わしてLINE交換まで。

その上・・・抱かれてしまって、頭の中はパニック状態。

夢のような出来事なのに、しっかり現実。

このまま・・・気持ちにブレーキを掛けないで正直になることはすごく怖い。

渉くんのことを考えなかったとしても。

『そんなことはないです』

そう返すのがやっとだった。