哀しいくらいきみが好きだから(S.O) (ページ42)

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「美歩・・・。」

「相変わらずね、Aは・・・。」

「！」

はいはい
モデルのあなたと違ってね、華なんて欠片もない地味な女ですよ

それが数年ぶりに会ったた友達に対していう言葉？

美歩だってその自信家なとこ、相変わらずじゃない・・・。

３人揃ったから食べるものを注文して、飲み始めたところで

「で・・・？
今回は何の用？」

切り出してみる。

昔っから恋愛がうまくいかなくなると連絡をしてくる美歩だから、今回も絶対そう。

幸せな時は一切連絡して来ないくせによ。

「前に電話したじゃない？
水原くんと付き合ってるっていうから話を聞こうと思って。」

美歩は私と渉くんの顔を交互に見て、ニヤリと微笑む。

や、絶対違うでしょ？
私たちのことは口実じゃないの？

「だからそれは・・・。」

「そんなこと聞いてどうすんのさ。」

私の前に座ってる渉くんが口を挟む。

「どうするもこうするも・・・幸せを分けてもらおうと思って。」

ほら、少しずつ表情が暗くなってくる。

結局、私たちのことを聞きたいんじゃなくて、自分の話を聞いて欲しいのよね。

「渉くん、今幸せ？」

何とか誤解を解こうと思って聞いてみる。

「AがOKしてくれたら最高に幸せかもしれない。
でも友達以上恋人未満の関係も嫌いじゃない。
Aは？」

ビールをグイッと空けて、私を見つめて来る。

告白されて返事を保留している相手から”幸せか？”なんて聞かれてもねぇ・・・。

最初に聞いた自分がバカだ。

「・・・こんな自分を好きだって言ってくれる相手がいるってことは・・・幸せかも。
でも幸せだって素直に・・・言えないのはどうなのかしら。」

「何それ。」

私の言葉に吐き捨てるように言ってグラスを口に運ぶ美歩。

「そういうこと。
私たち、付き合ってないから。」

「告白はしたけど、返事もらってないんだ。」

２人で説明すればわかってくれるだろう。

「・・・何やってんの？水原くん。
もっとアピールしなきゃ。」

「え・・・。」

「もっと攻めなきゃ！
私はそうやってゲットしたんだもの。」

怒られてる渉くん。

ほら・・・話が美歩の方に逸れてきた。