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「おは・・・よ。」
眠そうにとろん、とした目で私を見てるけど、起きて・・・ないみたい。
半分寝てるみたいに見えるんですけど・・・。
「・・・おはよう・・・ご」
ございますって続けようとしたら、パッと目を開けて
「敬語使ったら、もう一回抱くよ？」
全身に回る低い声で言ってのけた。
「！」
背中に回ってた手が少しずつ動き出したから、冗談じゃないんだって気付いた。
今の今までとろん、ってしてた目はどこに？
「お、おはよう・・・。」
慌てて言い直して、時間を確かめる。
「もう起きるから・・・放して・・・。」
「そんな時間？」
やっと大野くんの腕から解放されてベットから出た。
それでも彼はまだ眠そう。
自分なんかよりハードスケジュールこなしてるんだもの、大変よね。
「お・・・さ、としくん、朝は食べる・・・の？」
アイドルの大野くんのことは大体知っていても、私生活のことまでは知らないからね、言葉に注意しながら聞いてみる。
大野くんなんて呼んだらまた何か言われそうだもの。
「普段は・・・食わねぇけど・・・。」
ふふって笑みを浮かべて答えてくる。
あぁ・・・やっぱりギリギリまで寝てる感じなのかしら？
「おいら、先に出るね。」
んー！と布団の中で伸びをして起き上がった大野くん。
大野くんの考えてることは、わかるよ。
２人一緒にマンションを出た所を誰かに見られでもしたら・・・。
キャップとマスクで大体は隠れてるっていってもね、用心するに越したことはないもの。
着替えて出て行こうとする大野くんに、本来の目的の領収書と診断書を渡して
「車は？」
って聞いてみる。
タクシーを呼ぶのか、拾うのか、これから人通りが多くなっていく時間帯だから。
「マネージャーが迎えに来る。」
え・・・それ、夕べのうちに決まってたの？
最初から泊まるつもりで？
確信犯？
「・・・そう・・・。」
「じゃぁね。」
大野くんが帰って１人になると、何とも言えない思いが湧き上がって目が熱くなってきた。
何かまたお腹が痛い・・・。
そういえば、大野くんがいる間は痛くならなかったなぁ・・・なんてね、ホッとしてる自分がいた。
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作者名：Fg | 作成日時：2016年8月1日 18時
