哀しいくらいきみが好きだから(S.O) (ページ18)

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18 Oside ページ18

『タクシーの送迎は今朝で最後にしてください
運転手さんには言っておきます
今までありがとうございました』

起きたら柚木さんから、そんなLINEが来てた。

え、最後？
完治、したってことか・・・。

時間に余裕がある日は、眠くてもタクシーに乗って迎えに行った。

彼女のマンションに着くまでは寝て、着いたらなじみの運ちゃんに起こしてもらった。

「誠心誠意謝れ。
無理難題を言い出されたら報告しろ。
週刊誌にでも売られたら、大変なんだよ。」

事務所からはそう言われてたけど、そんなこと全然なくて。

タクシーに送り迎えを頼むだけじゃなくて、自分でもやろうって思ったのはなんでだろ？

ぶつかった時から控えめだったし、謝りに行った時の柚木さんの印象が悪くなかったから？

おいらのこと気付いたのに、態度が変わんなかったから？

周りの気の強い子たちと比べて新鮮だったから？

よくわかんねぇ・・・

手首がいてぇなぁって感じたのは、マネージャーに事の顛末ってやつを説明してる時。

話しながら無意識に手首をさすってたみたいで、マネージャーに指摘されちまった。

「ケガしたんですか？」

「ん？大丈夫。」

「本当のこと言ってくれなきゃ困ります。」

仕方なく、柚木さんには言わないって約束で痛みのことを話した。

そしたらすぐ仕事以外の時は湿布をすることになって、その日のうちにメンバーに知られてしまった。

「災難だったね。」

「大したことなくて良かったね。」

「捻挫ならそのうち治るから。」

そういう風にみんなが言ってくれたのに、ニノだけは

「お互いさまなのにタクシー使わせて、大野さんだけ謝んの？」

って納得してない様子。

これで最後っていうLINEが来て、ざわついた胸ん中。

よかったねって返したけど、なんかスッキリしない。

もう早起きする必要ないんだから、ホッとしていいはずなのに。

そしたらお昼ぐらいにまたLINE。

『色々お世話になりました』

タクシーん中では少しずつ話もして・・・ヘンな関係だったけど仲良くなったんだ。

タイプとかじゃないけどさ、そんな言葉言われちゃったら・・・なんか寂しいじゃん。