哀しいくらいきみが好きだから(S.O) (ページ13)

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13 Oside ページ13

「こんな朝早くに・・・ごめんなさい。
それと・・・ほんとにすみません。」

マネージャーから誠心誠意謝れって言われたからね。

電話番号を渡されたのは電話で謝れってことだったのかもしんないけど、それじゃぁ誠心誠意になんない気がしたからさ。

仕事の日に自由になる時間なんてほとんど無いから、朝早く来るしかなかった。

そこは心から悪いと思う。

勿論、ぶつかってケガさせたことも悪いって思ってる。

「あ、あの・・・良かったら中へ・・・。
玄関先は・・・寒いですから・・・。」

あっ、おいらのこと、認識してくれた？
誘ってんの・・・？
でもいきなり部屋に入んのはちょっと・・・

「ぃや・・・それは・・・。」

「あの・・・何故ここが？」

話がすぐ変わったから、誘ったんじゃ・・・ねぇのかな？
まぁそういう子には見えねぇけど

「・・・だいたいいつも同じタクシーの運転手さん、なんで・・・。
昨日・・・ここまで送って・・・エレベーターまで手を貸したって言ってたから。
今も・・・外で待っててくれてるんで・・・。」

「あ・・・じゃぁ、運転手さんにお礼言わなきゃ。
・・・大野くんにも・・・ありがとうございます。
タクシー、助かりました。」

「や・・・別に・・・。
あの・・・今日は・・・どうしますか？
会社、行くんなら・・・送り、ます。」

片足で支えらんないようじゃ、無理な気もするけどね。

「・・・ありがとうございます。
でも・・・今の感じだと・・・無理っぽいかなって思ってます。
今日は、休んじゃおうかなと・・・。」

いたずらをする時みたいに肩をすくめて、ちょっとだけ笑った。

すっぴんみたいだけど、昨日とあんま変わってない
幾つぐらいなんだろ・・・

それから少し話して、LINEの交換を言ってみる。

下心じゃねぇよ
彼女に言った不規則っていうのはホントだもん
夜中の電話なんて迷惑じゃん
事務所にバレると面倒だから内緒っていうのもホント

「明日もタクシー、ここに来てもらうから、使って。」

時間もなくなって来たから、部屋を出て小走りに外まで。

「待たせてわりぃ。」

タクシーに乗ってすぐ、今交換したばかりの彼女にLINEを送る。

返事が来て、何か胸ン中があったかくなって柚木さんの顔を思い出す。

すべすべしてそうなほっぺたを触ってみてぇって、ちょっと思ったのは内緒。