第35話 ページ35
夜「どうすんの?」
貴「ど、どうするって…別に…」
思いっきり目線を外して言うがジトーっとした視線に思わず言葉を濁す
どうしろと言われようとも向こうは遊びだろ…
第一俺が…か、可愛いとか絶対にない
きっとこの想いもあっという間に消えるだろ
気のせい…気のせい
なんとか言い聞かせるもそれを否定するかのように
胸がドキドキと鼓動を早める
ふざけんなあのトサカぜってぇ許さねぇ
夜「少し女っぽくしてみたらどうだ?」
んな無茶言うんじゃねぇ
なんてことも言えずに「無理です…」と俯しながら
呟いた
夜「うーん…男っぽい服着るのからやめとけ」
貴「私服これしかないんですけど…」
夜「ワンピースぐらいなら買ってやれるけど」
貴「いやいやいや自分で買います…あ"ッ」
思わず放ってしまった言葉に後悔
夜久さんはニマニマとその様子を伺う
すると紙に何か書き出し、手渡しされる
貴「…ID?」
夜「俺の連絡先。相談ならいつでも聞いてやるよ」
…
貴「…ありがとうございます」
自然とこぼれた笑み
初めて友達っぽい人が出来た気がする
それが嬉しくて紙を少し掲げて見つめた
早速スマホを取り出して連絡先を入れてから
お願いしますとトークを送る
それをすぐ確認してくれた夜久さんは
「はいよ」と優しく笑った
それから少し話してご飯を食べつつ作戦会議
最初は迷惑だと感じていたが真剣に聞いてくれるところをみると親切なのかお節介なのか…
母親のような性格にも思えた
男に母親っていうのもあれだけどな…
改めて連絡先を見てニンマリと口元が緩む
嬉しいな、友達
年上だけど話しやすかったし
ゲーム以外のこと話すの久しぶりかもしれない
黒「何見てんだ?」
貴「!?い、いや、何でもねぇから引っ込め!!」
黒「えぇ〜そう言われると気になるんだがなぁ」
画面を隠すようにして抵抗すると
ムスッとした顔で「じゃあ良いわ」と言われた
…なんで胸が苦しいんだ
貴「…友達出来ただけだし」
黒「俺がいるから良いだろ」
なんで平気そうな顔でそんなこと言うんだ
こっちの気持ちも考えろ
貴「お前は友達じゃねぇよ」
友達じゃ、嫌だ
なんて俺らしくねぇよな
友達じゃなくて…
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