第31話 ページ31
貴「うっま」
呟いてから焼き魚を一口食べてからご飯をかきこむ
好きな味付けに箸が止まらない
その様子を見てテツは黙々と食べながら
少し嬉しそうな表情をしていた
貴「味噌汁ってインスタントのやつ使うかと思った」
黒「忙しい時はそうだが時間がある時は自炊だぜ?」
味噌汁が一番うめえな
貴「こんなに美味しきゃ毎日作って欲しいわ」
黒「…それ無自覚だよな、」
理解が追いつかず意味がわからない俺を気にせず
黙々とご飯を口にする
何なんだこいつ
でもまぁ今日は泊まらせて貰ってるし…
文句は言えねぇ
最後の一口を食べて「ご馳走さま」と言うと
「お粗末さん」と言い、テツ自身も食べ終えた
なんとか説得して皿洗いは俺がやり、
風呂も借りて入ったしついに寝る時間になった
先程から勉強しているテツを眺めながら漫画を読んでいたがまだ起きているのだろうか?
だったら俺も起きてねぇとな
長く勉強しているもんだから
漫画もやめてウトウトとし始める。
寝そうになってはハッとして眼を覚ます
それの繰り返し
ようやくテツが背伸びをしたのを確認した直後、
俺はベッドに寄りかかりながら眠りについた
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黒「…今日はここまでにしとくか。」
ふとAの存在を思い出し「すまない、すぐ布団用意する…」とまで言ってからスヤスヤと眠る愛らしい姿を見つけた
…はぁ、少しは身の危険を感じて欲しいんだが
一輪の花を目にしてお預け…くっそ
顔にかかった髪を少しあげてやると
起きている時とは違った雰囲気に胸が跳ねる
…俺の心はお前に撃ち抜かれていんだよ
これが運命ならば嬉しいけどな
長い睫毛に途中で口から漏れる「んん…」という声が俺の理性をかき乱す
黒「こんっの馬鹿…」
好きになってくれ
俺の大切な人
そんな意味を込めてAの前髪を上げて
額にちゅっと軽いリップを鳴らした
バレなきゃいい…
案外軽い体を抱き上げて自分のベッドに寝かせる
布団をかけてから俺は押入れから予備の布団と敷布団を取り出し、床に敷いて布団を被った
初めて誰かにキスをした
額だろうが場所は関係ねぇ
好きな奴に口付けした、という事実だけで
俺の頰は太陽に照らされたかのように熱い
…もっと触れたい、好きって言って欲しい
黒「俺のもんになれよ、A…」
どんな奴らがお前のことを男扱いしても
俺だけはお前を女扱いしてやる
好きだけが溢れる
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