猫かぶりの西谷さん (ページ26)

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第26話ページ26

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「Aちゃんっておかしいよ！女の子なのに
男の子みたいな口調で気持ち悪いよ！」

貴「うるせぇな！別に良いだろ、俺の勝手だ！」

「うえ～ん先生～！Aちゃんがいじめてきたっ」

貴「違うよ！俺のこと気持ち悪いって…」

「＿＿ちゃん、大丈夫よ」

あの子は元から気持ち悪いから＿＿＿＿＿＿。

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貴「…変なこと思い出した…」

あの大人の言葉で俺は周囲に自然と意識が向いた

男勝りな俺の事を気持ち悪がって嫌う歳の近い人。
口調の荒い俺の事を陰で忌み嫌う大人たち。

それを知った小学生低学年時代。

その時から既に仮面のような偽りを
周囲に示すようになった

両親からも心配されないように勉強だって
運動だって頑張ってきた

でも、やっぱり

あの言葉が呪いのように張り付いて離れない
高校は烏野に入ったものの視線が強くなって
行けなくなってしまった。

今では最新の技術を使って先生から送られた
データで勉強をしたりテストを受けたりとしている

辞められるのは困ると教頭に言われたから
こんな事をしてまで進級をしていた

そんな俺が外に目を向けようとしている

…人と、向き合おうとしている。
進歩したものだ、褒めて欲しい

ピコーンッと再び通知音。

クロ『ありがとうな、
俺の事は好きに呼んで良いから』

貴『トサカ』

クロ『それは勘弁して』

…どーしよ、名前…名前…
あ、

貴『テツ』

ふと下の名前を思い出し、そう送ると少しだけ
時間が空いてから

クロ『おう、俺は名前で呼ぶから』
とだけ送られたので「よろしく」と送っておいた

…そういえば＿＿＿＿があったな。

一応聞いといた方がいいか

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿一方

黒「…研磨、どうしよう。嬉しい反面恥ずい」

孤「え…あ、そう…」

テツ呼びされんのこれから？
好きなやつに？

マジ顔赤くなりそうなんだが…

黒「ありがとな、研磨。無理言って悪かった」

孤「別にクロが珍しく真剣だったから…
ヴェストさんに謝ってね」

黒「あぁ、分かってる…！？」

通知音と共に流れ着いた連絡
そこには衝撃の言葉が映っていた

「今月の○○日から一週間東京行くんすけど
どこがオススメですか？」