第24話 ページ24
…なんか坊主とモヒカンが仲良くなってんだが
どーゆー事だ…?
一部始終どころか始まりしか見てねぇからわかんねぇよ…
あ、いっか。
これで俺の脱、閉じこもりはお終い!
そう考えていると「よっ」という声と共に肩が重くなる。…なんだこのトサカ野郎しつこ過ぎ…ッ
貴「何なんですかしつこい…」
黒「フッ」
鼻で笑った其奴の息が耳にかかった瞬間
ぞわぞわと悪寒が全身を走った
それと同時に口から何か音のようなものが
溢れるような感覚さえ感じた
貴「ひゃあっ!!?」
その声は自分でも吐きそうになるぐらい高い声、
いかにも“女子”な声…そんな声が
俺の喉から…?
黒「…かーわいい…」
驚いた様子でそう呟くようにして言った
トサカ野郎の顔は少しだけ頰が赤くなっていた
貴「や…ッやめやがれッ!
このクソトサカがぁぁぁぁああああッ!!」
初めてだ、本性で相手にキレること。
化けの皮が剥がれるってこのことなんかな
半ば涙目だよ、こんの野郎
力の限り腹にパンチを打ち込んだのに
其奴はケロッとした様子で俺の打ち込んだ方の右手首を掴み寄せた
黒「西谷ちゃん、名前教えて」
意外と真剣な表情で言うものだから
こちらもギョッとして抵抗する力が無くなる
周囲は俺の叫びを聞いて何事かと皆んな見ている
つまりは公開処刑だ。
唯一救いなのがさっきのキモい女声が聞かれていないのと今の会話が小声ってことだ。
貴「言う必要はありませんよね?お帰りください」
営業スマイルで体勢をジリジリと直していく
黒「俺が気になるだけだ。連絡先でもいいぜ」
気にせず俺の体勢を崩していくトサカ
いつのまにか要望が増えてるし!?
貴「わ、分かった…分かったから名前言うから…」
そう伝えるとようやく手を放してくれた
貴「…西谷 A…二度は言わないからな」
すると安心したように穏やかな笑顔になり、
「Aちゃんね」と言い俺の頭を撫でてきた
…な、なんか初めての事だから恥ずかしいな…
慣れない事されると心臓がドキドキする…
病院にでも行ってやろうか?
貴「それでは もう二度と会わないでしょうけれど」
「さよなら」「またな」
私の声とトサカの声がお互いに重なった
…またな?
黒「俺の一目惚れってやつ。惚れさせてやるから」
.
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はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああッ!!?
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