猫かぶりの西谷さん (ページ21)

今日:8 hit、昨日:4 hit、合計:4,327 hit

第21話ページ21

あらかたの説明を終え、ボールやらコートやらを点検している。

…なんで無理矢理連れてこられた挙句
俺が手伝わないといけねぇんだよ…

今週末までにやらないといけないイベントあんのに…

点検を終えてようやくベンチに戻り各チームが準備運動を始めた

その間にスマホゲームを開く
…イヤフォン持ってきたら良かった
後悔しつつRPGのホーム画面を映し出した

「…フォーク・アリシア…？」

貴「！？」

その言葉に勢いよく顔を上げると頭がプリンヘアーのような猫目の男が覗き込んでいた

貴「な、なんで知って…っ」

「俺もそれやってるから…」

その言葉に歓喜が一気に湧き上がるような感じをした。

…＿＿『フォーク・アリシア』。
RPG系スマホゲームでキャラクターは自分の理想にカスタムでき、武器は幅広くも全てが可愛いからカッコいい、シンプルなものもあれば派手なものもある。

装備も多く、好きな色にすることもでき
完全な理想になれる。

背景も凝っていて幻想的な風景や建物が彩りを飾っている。それでいてぬるぬる高画質…

常にオンラインモードであるが
オフラインモードにもでき、個人の自由が守られる

感動する物語やつい感情移入してしまうような
どこか現実でも共感を得られるものも
そのファンタジーのような世界も忘れることのない最高のスマホゲーム！！

他にも説明したいところはあるが
このゲームは結構マイナーであり、数多くのゲームを知るゲーマーでも知らないかもしれないほど
このゲームをしている人と出会えるのは高確率なのだ

…そんな人が俺の、前にいる…

貴「まッマジすか！？俺、このゲームやってる人と会ったことなくて…ッ！！は…初めて会えた…！」

あまりにも感動的であり声が少し大きくなる。
するとその男はビクッと最初はしていたが次第に同類だと気付き向こうも少し嬉しそうにした

貴「俺、ゲーム名が『ヴェスト』で…貴方の名前を聞かせてもらってもいいですか？」

「えと、俺は普通に『ケンマ』かな…」

貴「ケンマって…結構上位クラスの人じゃないですか！名前聞いたことありますッ」

「それ言ったらヴェストって名前も上位だと思うけど…もしかして『リヒトゥング』っていうギルドの創造者って…」

貴「それ俺っすね…。
あ、あとでフレンド登録しても良いですか？」

「うん、いいよ」

つい興奮し過ぎて飛ばし気味に話していたので
ありがとうと言った直後に正気に戻った

うん、普通に赤面した