好感度32% ページ38
「……お前に言っても、意味無いから」
エースはそう言って
逃げるようにバルコニーを出て行った
「アイツ、ホントに可笑しいんだゾ」
「………」
ー……言えるわけねーだろー
エースは本当に何かがあったんだ
しかも……Aちゃんと…
「しかも、前にユウからした変な匂いがするんだゾ」
「変な……匂い…?」
確か、Aちゃんと一緒に
魔法薬作った時だったっけ?
「ふな"!?さっきエースからした匂いがユウから!?……臭いんだゾ!!」
グリムは鼻を抑えながらそう言った
………匂い
僕はあの時
確かに甘い匂いがした
……グリムはそれが臭い
そして、エースからもその匂いがした
「…………なんなんだろ、この胸騒ぎは」
何か嫌な予感がする
そんな気がした
＊＊＊
ジャック side
「………はぁ、確か………図書室って言ってたよな?」
Aが熱に魘されていた時
ラギー先輩やレオナ先輩が
付きっきりで看病をしてるから
心配はねーけど
………アイツの周りに居ると
何か頭がフワフワして
自分が自分じゃなくなるような気がしてくる
それに……あの甘い匂い
どーも苦手だ
ヴィル先輩の香水とはまた違う
………嗅いだことも無い不思議な匂いだ
「………でも、アイツが苦しそうにしてるのは……見てるこっちも嫌だ」
普段の態度から
弱々しい菅田はあんま見ねーし、尚更だ
図書室の大分奥まで進むと
奥に何かあるのが見えた
「………ん、黒い布?」
歩いて確かめると
「!!………これって」
Aの帽子とマフラーがぐしゃぐしゃ
地面に置いてあった
マフラーを手に取れば
皺になっていて
少し湿っているのがわかった
「…………なんで、こんな…」
マフラーからは
Aからするあの匂いがした
ずっと匂いを嗅いでいたら
頭がクラクラしそうな匂い
でも
「…………っ………!?」
俺の体はその匂いに
反応するかのように
熱を発し始めた
「んだ………これ…っ」
俺は耐えられず
マフラーと帽子を持って
息を止めながら
急いで図書室を出た
「………はぁ、はぁ………っ」
やっぱり変だ
………頭から離れられない
あの香りとアイツの顔
「………んだよ、これ」
先程感じた熱は
俺の下半身に集中していた
「………………ッくそ!!」
意味がわからなくなった
俺は暫く、その場から離れられなかった
今日のキーパーソン
トレイ・クローバー
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伊古(プロフ) - エワビさん» コメントありがとうございます！中々更新できない中読んでいただきありがとうございます！これからもよろしくお願いします (2021年8月28日 22時) (
レス) id: 7a83a07d3f (このIDを非表示/違反報告)
エワビ - すごく面白かったです！ (2021年8月27日 14時) (レス) id: 1ec29ba6ed (このIDを非表示/違反報告)
伊古(プロフ) - 杏仁豆腐さん» コメントありがとうございます！はい、あの欺く…のヤツです！あ、おじたんがいらっしゃる笑これからもこの作品をよろしくお願いします！ (2020年8月1日 15時) (レス) id: 7463c27085 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐 - 辞められないが止まらない。真面目に！むっちゃ真面目に！辞められないが止まらない！「うぜぇよ」（byレオナ） (2020年8月1日 11時) (レス) id: d74ccecfb0 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐 - とある団員の目……アッ（察し） (2020年8月1日 11時) (レス) id: d74ccecfb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊古 | 作成日時：2020年6月3日 11時
