番外編〜アズールの記憶〜 ページ20
「僕、先輩の人魚姿見てみたいです!!」
「……貴方も懲りませんね?」
A・アイディール
最近よくモストロ・ラウンジに
来るようになった客
正直、僕は
「だってタコの人魚、見た事ないんですもん!!」
好奇心…いや、何を考えているか
全くわからない彼女が大の苦手だ
「……私の人魚姿を見たって得しませんよ」
「僕は得しますよ!!」
ほら、こうやって
軽くあしらっても、言い返されてしまい
僕にニコニコとして求めてくる
普段なら頼みに応対するが
今回に関してはは別だ
「……どうして、そこまで僕に構ってくるんです?」
「え…っと、それはどういう意味ですか?」
彼女はキョトンとした顔をしていた
ほら、そういう所も
全部ムカつく
「貴方が何を考えているか分かりませんが、正直……そう言うの迷惑なんですよ、いい加減にしてくださ……」
"迷惑"、今まで彼女に
そんな事言わなかったのに
今日はじめて口にした言葉
それでも彼女は
「…そうだったんですね!!僕、先輩の事を考えずに色々聞いちゃって……ごめんなさい」
笑顔は絶やさなかった
「Aさ…」
「あ、マドルはここに置いておきますね!!では…」
"また来ます"
彼女はいつも帰る時に
そう言って出て行くが
今日は何も言わずに出て行ってしまった
「あ〜あ、クマノミちゃん泣かせちゃった」
「いけませんよアズール、女性を泣かせては」
今までの一部始終を見ていた
ジェイドとフロイドが此方に来た
「別に泣かせていませんよ……ただ…いや、それよりも貴方達、だいぶ混雑してきましたから急ぎますよ」
泣かせてはいない
でも、悲しませてしまったかもしれない……
ってなんでこんなに
彼女の事を考えているだ?
いつもなら、こんな風に悩んだりしないのに
僕はそんな思いに葛藤しながら接客をした
＊＊＊
モストロ・ラウンジで提供する
食材を買う為に購買部に足を運んだ時
「まさか、本当にあれから来ない……なんて、ね」
ふと、そう呟いた
あの日からAさんとは全く会わない
モストロ・ラウンジにも来ない
うるさい人が居なくなって
良かった筈なのに
……なのに、凄く胸が苦しい
そう思っていた時
「あのタコ野郎、どうしてやろうか」
外からそんな声が聞こえた
今日のキーパーソン
トレイ・クローバー
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伊古(プロフ) - エワビさん» コメントありがとうございます！中々更新できない中読んでいただきありがとうございます！これからもよろしくお願いします (2021年8月28日 22時) (
レス) id: 7a83a07d3f (このIDを非表示/違反報告)
エワビ - すごく面白かったです！ (2021年8月27日 14時) (レス) id: 1ec29ba6ed (このIDを非表示/違反報告)
伊古(プロフ) - 杏仁豆腐さん» コメントありがとうございます！はい、あの欺く…のヤツです！あ、おじたんがいらっしゃる笑これからもこの作品をよろしくお願いします！ (2020年8月1日 15時) (レス) id: 7463c27085 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐 - 辞められないが止まらない。真面目に！むっちゃ真面目に！辞められないが止まらない！「うぜぇよ」（byレオナ） (2020年8月1日 11時) (レス) id: d74ccecfb0 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐 - とある団員の目……アッ（察し） (2020年8月1日 11時) (レス) id: d74ccecfb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊古 | 作成日時：2020年6月3日 11時
