吸血鬼と堕天使 2【kzh】 (ページ36)

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僕の秘めていた気持ちページ36

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叶 side

僕は、葛葉とだてんが付き合ってくれて嬉しい反面、嫉妬はしていた。兄としてしか見られてない立場、恋愛に発展出来ないで居た。

葛葉と僕が1番近くに居た存在ではあった。
でも、葛葉だけを見つめる彼女に僕は手を出さずにいた。

兄としてそばに居れただけでも幸せだった。葛葉と喧嘩したりする度に僕ならそんな事しないのにって思ったりもしたけど、ライバルで良き親友の彼女を取るわけにも行かなかった。

もちろん、近い存在である限り、苦しくなることもあったよ。
口から何度も出そうになる"好き"って言葉。ふざけて大好きだよって言ったりするけど、それは信頼関係を築いてる上での好きであって相手は好意では無いことは分かっていた。

あの二人が幸せならそれでいいと思っていた。
でも、諦めるに諦めきれないのは、ずっと近くで見ていたせい。

これは、僕の儚い恋なのかもしれないね。

叶｢…ん、｣

そうだった。僕熱出してたんだった。
久しぶりに熱出したし、夢も見た気がする。
あれ、僕いつベッドに戻ったんだろう…
ベッドの端を見ると伏せて寝ているだてんが居た。

そっか、だてんが看病しに来てたんだった…

叶｢…ここで寝てたら、風邪引いちゃうよ、｣

僕はだてんの頭を優しく撫でると少し動く。
葛葉、ごめんね。僕が言えたことじゃないや、流石に手は出さないよって言った手前、目の前に居たら自分のことを制御できないや、ごめんね、熱のせいってことして。

僕は、だてんの髪を掻き分けて優しく口付けをした。
明日からはちゃんとお兄ちゃんとして接するから、最後の僕の足掻きを許してね。

だてんを姫抱きして布団に寝かしてもう一度寝た。

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