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世界観 ページ1

【世界観】
■月某日(ある少年の日記より)




辺りに煙たい匂いの立ち込めた、君の眠る部屋にあるパイプ椅子から腰を上げ、手に持っていた数珠を手首に付ける。



君の葬儀が終わり、僕は帰路につこうとしていた。



母さんたちはもう先に行ってしまったようだ。



周りに人の姿は全く見えず、おそらく残るは僕一人。



後ろを振り返り、ふと君の遺影を見てみた。



特に理由は無い。……が、何と無く君の思い出深い顔を見ておきたくなったのだ。



――色とりどりの花に囲まれた遺影に目をやると、それの中はただ白かった。艶めく黒のリボンに縁取られた、黒い額縁しか残っていない。
 


遺影の中に、君の写真は無かった。




君って、どんな人だっけ?

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作者名:美味しい | 作成日時:2023年12月18日 19時

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