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「なぁ、験直しに週末どっかに行かねぇか?」
「工具店じゃなく、カー
「それならオレも付き合うよ!」
三人が会話する間にも伊達と七星の試合は続く。そんな中、ふと松田が思い出したように頬杖を付いた。
「バイク店っつったら、この前妙な
「
松田の呟きに諸伏が目を見開いた横で、萩原の問いに松田が答える。
「ああ…台付きの盃…ゴブレットっつーの? あんな図柄の…」
その言葉に、諸伏の脳裏に忌々しい記憶がフラッシュバックする。まさかと思い、諸伏は松田の両肩を勢いよく掴んだ。
「それ、どんな男だ!? どこに住んでいる!? 名前は!?」
「知らねぇよ!
刺青に興味あんならバイク店に今晩行ってみっか? 常連みてーだったから、店員に聞けば分かるかも…」
ダンッ!!と強烈な破裂音に近い音が訓練場を刺す。ドシャリ、と崩れ落ちるように落ちた片方の身体。立っていたもう片方は──
「マジか!? 伊達班長、」
「10人抜きかよ!?」
「明日香に勝ちやがった…」
お互いに荒く吐かれる息。面越しの額に伊達の突きを受けた七星は、チカチカと瞬く視界に目を瞑りながら眉をひそめた。
「七星…立てるか?」
「…ええ、気にしないで頂戴」
伊達の問いかけに答え、徐に立ち上がる七星。松田の隣に座り、大きく息を吐けば歯を食いしばり、やるせなさを己の拳に握りしめた。
「……次は勝つ…!」
「明日香、思いっきり班長の突き受けてたけど、頭何ともねぇか?」
「少し休めば何とも無いわ、大丈夫」
「そうだ、お前も今晩外行こうぜ」
「…まあいいけど…どうせ、車かバイク店でしょ?」
「分かってんじゃん♡」
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作者名:爽来 | 作成日時:2022年4月25日 22時