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『ウソ…。私達のこと警察学校の仲間に言っちゃったの? お互いの親にちゃんと挨拶するまでは内緒にする約束だったのに…』
「悪い…話の流れでつい…」
『お父さんの予定は聞いてくれた? 挨拶するなら早い方が…』
「いいよ、親父は無視で…」
『またそんな事言っちゃって…。
それで?学校の方はどうなの?』
「面白い奴ばっかで退屈しねぇよ…
ケンカっ早い奴に、軟派なチャラい奴…普段は穏やかなんだが、陰で何かを必死に調べまくってる奴に…お前みたいに少し見た目が違うせいで何かと絡まれる奴…
後な、お前の話をした時に会いたいって言ってくれた女の同期もいるんだ…あ、浮気とかは一切無いからな!?そいつも、ちょっと勘違いされやすい奴でな…でも決して悪い奴じゃねぇんだ。
今度お前にも紹介するよ、“ナタリー”…」
『ふふ、分かってるよ、うん…楽しみにしてる…』
夜、公衆電話の前で穏やかな雰囲気で相手と話す伊達。電話先で柔らかく微笑んだのは伊達の交際相手、ナタリー来間であった。
「逮捕術とは、日本古来の武道をベースに…被疑者、及び現行犯を逮捕拘束する為に練り上げられた技術である!!
有効打撃はアゴ・肩・胴・小手! 攻撃手段は突き・蹴り・逆・投げ・締め・固め・警棒・警杖・施錠など、何でもあり!
逮捕術の神髄は、己は勿論…相手をも無傷で制圧することである!!」
ドシッと鈍い音がして試合に結果が着いた。
「一本!! それまで!!」
「班長鬼強じゃねーか!!」
「俺なんか面が潰れたかと思ったよ…」
伊達の試合相手をしていた松田が横にはけて、苦しそうに面を取った。前に試合をしていた萩原と諸伏もそれに頷いている。諸伏は胴当ての上から痛む脇腹を押えてる程、伊達の力は相当なものである。
「次! 七星!!」
「はい!」
「明日香ァ!! 負けんじゃねぇぞ!」
伊達と七星の試合を見守りながら、松田達は伊達の実力を嫌味たらしく呟いていた。
「ただの殴り合いなら負けねぇのによォ…」
「俺も、女と車の扱いなら負けねぇぜ…」
「あ、でもホラ班長彼女いるって…」
七星が仕掛けた突きは交わされ、隙を狙って反撃に伊達の膝が七星の脇腹を狙うが、突いた際の勢いで身体を捻り、いなす様に膝を抑えた。その一連に観衆が感嘆する。
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作者名:爽来 | 作成日時:2022年4月25日 22時