キュウレンジャー 小話詰め

増えていく感情1 ページ8

バランスがトゥーミーに誕生日を奪われたことに、ナーガは自分のせいだと責任を感じていた。そのため、ナーガは顔に感情を出すことは無かったが、落ち込んでいた。

『ナーガ？』
「...A」
『大丈夫？』
「何が？」

Aは今日の一部始終を見ていて、ナーガを心配して様子を見に来たのだ。

『バランスのことで、落ち込んでるんじゃないかなって...』
「落ち込む...わからない」

Aはこれを聞いて、ゆっくりと両手をナーガの方に伸ばして、顔をこちらに向けた。

「なに？」
『大丈夫だよ
バランスの誕生日は絶対取り戻せる
絶対に諦めちゃダメだよ』

そう言って、Aはナーガの顔から手を離した。そして、真っ直ぐナーガの目を見て笑顔で言った。

『バランスの誕生日を取り戻したら、みんなでお祝いしようね
プレゼントも用意して』
「...プレゼント」
『うん』

ナーガは困っていた。今まで、誕生日と言うものをまず知らなかったのだ。プレゼントも何を用意していいか、分からなかった。

「俺は...バランスに何を渡せばいい？」
『うーん、なんだろ？
バランスが喜ぶものをあげるべきだよね』
「...お宝とか？」
『確かに、それも喜んでくれるだろうけど...
もっと、何かあると思うんだけど』

Aは少し考えるとあることを思いついた。そして、もう１度ナーガの顔に両手を伸ばして、前と同じようにナーガの頬を少し引っ張って笑顔にさせた。

『うん！これだよ！』
「何が...」
『笑顔だよ！ナーガの笑顔』
「笑顔...」
『絶対、喜んでくれるよ
皆にも、手伝ってもらおう！』

そう言って、ナーガの頬から手を離すと、ナーガの手を掴んでみんなの所に向かった。

そして、皆に手伝ってもらいバランスのために笑顔を練習した。その後、無事にバランスの誕生日を取り戻し、笑顔のプレゼントは大成功を収めた。

増えていく感情2→←僅かに生まれた感情

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す