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見つからない小松田さんの段 ページ5

「こーまつーださーん!」

「どこにいるんですかー!」

いくら呼んでも小松田さんが出てくる気配はない。

ついでに事務室と校門にはいませんでした。はあ。

「もう!八左ヱ門!ちょっとは思い当たる場所とかないわけ?」

やけになって八左ヱ門に聞くと、八左ヱ門は困った顔をした。

「思い当たる場所はもう探したさ!あのへっぽこ事務員と言われている小松田さんだぞ?もしかしたら綾部の穴にはまってたり...」

綾部喜八郎の掘る穴に小松田さんが落ちているのはよく見ることだ。喜八郎の穴は学園中いたるところにある。それを探すとなると...。

「「はぁ〜。」」

考えるだけで嫌になる作業に、私たちは同時に溜息をつく。そんなときだった。

「A?それと八左ヱ門じゃないか!」

聞き慣れた声が後ろから私たちを呼ぶ。

「三郎!」

「俺はおまけかよ!」

「ははっ!A、八左ヱ門と2人で何してたんだ?」

“2人で”という部分を強調して言う三郎に、八左ヱ門が口を尖らせた。なんだかよく分からなかったので、私は三郎の質問に答える。

「小松田さんにお互い用事があってね。探してるんだけど見つからないのよ。」

三郎、知らない?と言いかけた私の腕に、突然八左ヱ門がしがみついてきた。
え?何?私なんか言った?怖い怖い。てか三郎の顔が1番怖い。

「だから2人で探してたんだ!三郎、邪魔すんなよな!俺とAの2人で探すんだからな!」

今度は八左ヱ門が、“2人”という単語を強調する。

三郎と八左ヱ門ってそんな仲悪かったのかな?
なんてこと考えてると、三郎が「フンッ」と鼻で笑った。

「いいのか?私は小松田さんの居場所を知っているぞ。」

その言葉に食いついたのは八左ヱ門ではなく私だ。

「え!本当!どこにいるの!もー三郎ったら、そう言うことは早く言いなさいよ!で、何処なの?」

「案内してやるよ。八左ヱ門はいいかげんAから離れるんだな」

未だに私の腕にしがみついていた八左ヱ門は、三郎の言葉を聞くなり頰を膨らませて、渋々離れていった。

(邪魔すんなって言ったのに!!)

心の中で叫ぶ八左ヱ門は、せっかくAと2人きりで入れたチャンスを台無しにした三郎に、いつか仕返しをしてやろうと企てるのであった。

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作品ジャンル:恋愛
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あい(プロフ) - これ面白いです!! 無理の無い範囲で続き頑張ってください (2022年4月1日 9時) (レス) @page5 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ(プロフ) - 眼鏡神さん» ありがとうございます!時間があるとき更新します^ ^ (2019年1月17日 8時) (レス) id: 7468eb5a45 (このIDを非表示/違反報告)
眼鏡神(プロフ) - 初コメントです!続きが楽しみです!!! (2019年1月14日 13時) (レス) id: 8c5afcc7aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴぃ | 作成日時:2018年12月29日 19時

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