閉幕 ページ15
.
世界は、いつしか終わる。
それは予兆があるかもしれないし、
突然に終末を迎えるかもしれない。
さようならすら叶わないなんてそんな悲劇も、
今日できっとおしまいなのだ。
次の世代があるかもわからない。
人類一人として、
この地球に残らないかもしれない。
それでも、なんでも。
彼女たちはその"愛しきもの"を紡ぐことをやめない。
君に、君たちに会えなくとも。
その愛しいもので、ずっとずっと繋がっているのだから。
だから、いつしか彼らが。
違う世界で生まれ落ちたときに__
「うお、なんかやっとるでトントン」
「いやなんかってなんやねん。チーノってそういうの見つけるん上手いよなぁ…って…」
「ふふん、せやろせや…ろ……。
なぁ、トントン。」
「奇遇やな。俺も思うわ。…なんか、懐かしい」
.
「お？なあ見ぃや二人とも！路上ライブしとるで！」
「えっうそ、女の子おる？」
「へえ、珍しない？ここでライブて」
「せやな。しかも結構人だかりやし…ロボロ見えないんちゃう？」
「誰が小さいねん！見えるわ！シャオロンもひょろすぎて押されへんようになぁ？」
「いやなに言い争っとん！？目立つ目立つ！…って、今ちゃんと聴いたけど、なんや懐かしい…ような？」
「あ、大先生も？俺もやねんけど」
「なんやろなぁ、この音。めっちゃ良いわ」
__再び巡り合うための、
目印に、なるように。
「ね、グルッペン」
「なんだ？」
「…私、この時間が一番好きだわ」
「…！あぁ。そうだな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：森樂 | 作成日時：2021年1月24日 14時
