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pi side
意外に話しやすく、時間は刻々と進んでいく。テスト勉強といいつつ自分は特になので。先程やっていた少テストもどきでそこそこに、普通にスマホを取り出しゲームを起動させた。
ちなみに自分の横では、チーノが盛大にフラれている。
「っはー、笑ったわ…。先輩、鈍感って言われません?」
『え、うーん。そもそも人と話さないから』
「あっ」
『やめてその反応、つらい』
まあ、自分で言うのもなんだが女子人気のある生徒会メンバーと関わりを多く持ってこれなのだから、鈍感といや鈍感なのかもしれない。
むしろ鈍感を通りこして天然かもしれないが、別に空気の読める人っぽいもんなあ。
「…というか、今まで何人の生徒会とあったんすか」
『何人?あーっと…らんらんは元からだし。オスマンくん、ロボロくん、鬱くん…。あぁ、エーミールくんとゾムくんとも話ししたかな。
…あっ、コネシマくんとシャオロンくんもか』
「A先輩、シャオさんたちとも話しとるん!?」
「あとグルッペンさんとトントンさんだけやん」
チーノが声を上げる。自分も兄さんからそれっぽいことは聞いていなかったので驚いていれば、前に座る彼女は首を傾げたあと、納得したようにああ、と呟く。
『体力測定の50m一緒に走っただけだからね。私は友達から教えてもらったから知ったけど、向こうは名前覚えてないんだと思う』
なるほど、とチーノの二人で頷く。
あの二人が同学年の女子の名前を覚えているわけないし。まして50m走。どうせ勝負でもしていて、周りは目に入っていなかったのだろう。
彼らなら有り得る。
…いや、待て?
「でもコネシマ今年、なんやめっちゃ早い女子おったって騒いどらんかったっけ」
そういえば体力測定の日、生徒会室にてやけにシャオロンさんとはしゃいでいた覚えがあるが。そう言えば、少し顔を顰めて先輩は話す。
『え、騒いでたの?たしかになんか絡まれたけど…』
「…1つ聞かせてほしいんですけど、A先輩、何秒?」
チーノが問えば、彼女は少し間をあけて。
『6.38、だったはず』
嘘をついているような仕草もなく、そう言い放った。
スマホを操作していた手を止める。チーノも動揺からなのか、手からシャーペンを落とす。
「な、なんでそれで美術部おるん!?」
「もうそれチートやろ…あんた…」
『えっ、えー…?』
一秒もせず、ゲームオーバーのキャラボイスが、美術室に木霊した。
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森樂(プロフ) - ライアさん» 名推理!わかっていただけて安心しました、大正解です!! (2020年12月25日 6時) (レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
ライア(プロフ) - なるほど、名探偵のようなポーズ…実写動画でのお決まりポーズですよね?! (2020年12月24日 22時) (レス) id: a00b590788 (このIDを非表示/違反報告)
森樂(プロフ) - 小豆さん» 私も美術部員ですこんにち((ありがとうございます、引き続きよろしくお願いします!! (2020年12月23日 21時) (レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - 同じ美術部員ですどう(((めちゃ神作ですね!!(確定)これからも更新応援しています! (2020年12月23日 11時) (レス) id: 73726d907e (このIDを非表示/違反報告)
森樂(プロフ) - つむ(^p^)**さん» ありがとうございます嬉しいです(号泣)作品の展開的にキャラに偏りありますが続々と出せていけたらなと思うので(願望)これからもどうぞよろしくお願いしますー! (2020年12月21日 15時) (レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:森樂 | 作者ホームページ:https://twitter.com/Sinra_ura_d?s=06
作成日時:2020年12月3日 23時