第7話 ページ7
『ミンジュン君、何してるんですか…！？』
部屋に戻るとミンジュン君が青い顔で荷物をまとめているのが目に入り、慌てて腕を掴む。
｢…ココを出る……皆を危険にしたくない…｣
私の手を軽く退けると、荒い息でそういう彼。
『駄目です…行っちゃ駄目…！』
そのまま立ち上がって出ていこうとする彼を、必死に抑える。
それでも止まってくれない彼を、今度は間宮さんも一緒に止めてくれる。
｢ごめんミンジュン。軽く締めさせてもらう。｣
そう言うと、間宮さんは持っていた縄でミンジュン君の両手を拘束した。
｢甲本さん…ミンジュンに何かあった時の為に見張っておいてもらえますか？｣
間宮さんが甲本さんに向かってそう告げる。
どうやらテロリストとして投降するという交渉に応じる気のようだ。
｢俺が戻ってくるまで、なんとか持ちこたえて欲しい。｣
ミンジュン君の方を向き直ってそう言う彼に、予感が確信に変わった。
｢行くつもりなのか？｣
｢そもそもワクチンがあるという保証もないぞ。｣
甲本さんと御前崎さんがそう言う。
もし嘘を言われているとしたら、間宮さんが無事に帰って来れる可能性の方が少ない。
そもそも私達のことを狙っている奴らが言っている事だ。
私も間宮さんを止めるべきなのはわかっている。
それでも制止の言葉が出てこないのは、ミンジュン君を助けて欲しいという本心のせいだ。
｢黙って見てられない。｣
｢間宮さん行っちゃ駄目！！｣
｢行かなきゃ…｣
｢殺されるかもしれない！！｣
｢俺のせいなんだよ…！！｣
｢そんなことないっ！！｣
佳奈恵ちゃんが必死に間宮さんを止めるが、間宮さんはその手を振り払う。
そして、ミンジュン君に｢必ず戻る｣とそう言った。
『間宮さん…私…』
｢大丈夫…倉橋さんのせいじゃないよ。｣
間宮さんのことは、他の皆と同じくらいに大切に思っている。
それなのに、私は間宮さんを止めることがどうしても出来なかった。
自分で駐屯地に行くわけでもないのに、間宮さんのことも止められない。
ズルくて汚い自分に、悔し涙が溢れる。
『ごめんなさいっ……お願いします…！』
｢大丈夫。ミンジュンのこと頼むね。｣
頭を下げる私の肩を励ますように叩くと、間宮さんは今度こそ出ていってしまった。
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なすび丸(プロフ) - あぷるさん» 返信が遅くなってしまい申し訳ないです！そう言っていただけると気負わずに更新できます…ありがとうございます！ (2021年5月23日 20時) (
レス) id: 3e2c112d2d (このIDを非表示/違反報告)
あぷる - なすび丸さんお帰りなさい!!新しい生活への切り替えで多忙であるにも関わらず更新をして頂いて本当に嬉しいです！なすび丸さんのペースで更新なさってくださいいつでも待ってます (2021年5月16日 13時) (レス) id: 9ae6da1d4e (このIDを非表示/違反報告)
なすび丸(プロフ) - さらさん» おはようございます！！待ってていただいて本当にありがとうございます！！ちょこちょこ更新頑張ります！！ (2021年5月10日 7時) (レス) id: 3e2c112d2d (このIDを非表示/違反報告)
さら - なすび丸さんお久しぶりです！！そしてお帰りなさい！！ずっと待ってました！！新生活の中お忙しいのに更新ありがとうございます！！これからもずっと応援してます！！コロナも流行ってるので、お体には気を付けて、お仕事も頑張って下さい！！私も頑張ります！！ (2021年5月9日 23時) (レス) id: 8178d9f7d8 (このIDを非表示/違反報告)
Nishiki - なすび丸さん!!お久しぶりです!!おめでとうございます!!幸せになってくださいね！ (2021年3月15日 1時) (レス) id: 43dc748b90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なすび丸 | 作成日時：2021年3月1日 19時
