検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:114,460 hit

さら様リクエスト4 ページ25

※来美ちゃんの存在がなかったことになっています。響×来美の世界観を崩したくない方は飛ばしてお読み下さい。









『大丈夫ですか?』

「うん、大丈夫。ちょっと捻っただけだから。」



足首に濡らしたタオルを当て、壁にもたれている間宮さんに声をかける。


間宮さんと私で食料や水を探しに行っていたのだが、皆の所へ戻る途中で間宮さんが足を怪我していた。


私が車の下にいたゴーレムに気づかず足を掴まれてしまい、助けに来てくれた時に足を捻ってしまったらしい。




『ちょっと触りますね。』


冷やしているタオルを退けて患部をみるが、腫れてはいないようだ。

酷くなくてよかった。

これなら湿布を貼っておけばじきに収まるだろう。

サイドバックから湿布を取り出し、間宮さんの足首に貼る。


「ありがとう。」

『私が油断してたせいで…すみません…』


にこりと笑ってお礼を言う間宮さんに、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


「そんなこと思ってないよ。…倉橋さんが無事でよかった。」


湿布を貼っていた手を取られ、微笑まれる。

急なことに顔が熱くなるのがわかり、目を逸らした。







「A、」


急に肩を叩かれ、少し驚く。


振り返ってみると、少し不機嫌な顔をしたミンジュン君だった。


なにか怒らせてしまったのかと焦ったが、少し頼み事があるから向こうに来て欲しいとのことらしい。



間宮さんの方を向くと、やれやれといった様子で頷いた。


「俺はもう大丈夫だから、行ってきな。」


間宮さんの了承を得ると、ミンジュン君は私の手を掴んで歩き出す。



そのまま休んでいた建物の外に出ると、ミンジュン君は傍にあったコンテナの影に腰を下ろした。




『あの…頼み事って?』

「Aと話したかった。」


彼は少し気まずそうに目線を逸らしながらそう言った。

思ったより小さい頼み事に、思わず笑ってしまう。



それから暫くの間、彼とたわいも無い話をしていた。

時間を忘れて話していると、もうだいぶ日が傾いている。


『そろそろ中に入りましょ。』


完全に日が暮れてしまっては危険だ。

私がそう言って立ち上がると、彼は建物の中へ入ろうとする私を引き止めるように手を掴む。





首を傾げる私に、彼は言いずらそうに口を開いた。


「Aハ…響のこと」

「倉橋さん、ミンジュン!」




ミンジュン君が話出したタイミングで、間宮さんの声が話を遮った。

×→←×



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (166 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
195人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - リクエストのお話、ありがとうございました!最高でした…!! (2021年3月2日 23時) (レス) id: dbf834a117 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - それでお願いします (2021年3月2日 20時) (レス) id: 1283154a8f (このIDを非表示/違反報告)
なすび丸(プロフ) - こころさん» コメント、リクエストありがとうございます!事故チュー!素敵ですねっ!作者は小学生の頃、クラスメイトのいじめっ子と事故チューしてしまい、クラス替えまでの半年間本当に死にたかったです!(?) (2021年3月2日 16時) (レス) id: 3e2c112d2d (このIDを非表示/違反報告)
なすび丸(プロフ) - アンジュさん» 宇和島さんの時の響くんみたいな感じですね!(笑) 必死で切ない感じに仕上げられるよう頑張ります! (2021年3月2日 16時) (レス) id: 3e2c112d2d (このIDを非表示/違反報告)
なすび丸(プロフ) - ぽんちゃんさん» コメント、リクエストありがとうございます!逆パターンいいですね!順番に書かせていただきますので、楽しみにお待ちくださいませ! (2021年3月2日 16時) (レス) id: 3e2c112d2d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:なすび丸 | 作成日時:2021年2月23日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。