さら様リクエスト4 ページ25
※来美ちゃんの存在がなかったことになっています。響×来美の世界観を崩したくない方は飛ばしてお読み下さい。
『大丈夫ですか?』
「うん、大丈夫。ちょっと捻っただけだから。」
足首に濡らしたタオルを当て、壁にもたれている間宮さんに声をかける。
間宮さんと私で食料や水を探しに行っていたのだが、皆の所へ戻る途中で間宮さんが足を怪我していた。
私が車の下にいたゴーレムに気づかず足を掴まれてしまい、助けに来てくれた時に足を捻ってしまったらしい。
『ちょっと触りますね。』
冷やしているタオルを退けて患部をみるが、腫れてはいないようだ。
酷くなくてよかった。
これなら湿布を貼っておけばじきに収まるだろう。
サイドバックから湿布を取り出し、間宮さんの足首に貼る。
「ありがとう。」
『私が油断してたせいで…すみません…』
にこりと笑ってお礼を言う間宮さんに、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「そんなこと思ってないよ。…倉橋さんが無事でよかった。」
湿布を貼っていた手を取られ、微笑まれる。
急なことに顔が熱くなるのがわかり、目を逸らした。
「A、」
急に肩を叩かれ、少し驚く。
振り返ってみると、少し不機嫌な顔をしたミンジュン君だった。
なにか怒らせてしまったのかと焦ったが、少し頼み事があるから向こうに来て欲しいとのことらしい。
間宮さんの方を向くと、やれやれといった様子で頷いた。
「俺はもう大丈夫だから、行ってきな。」
間宮さんの了承を得ると、ミンジュン君は私の手を掴んで歩き出す。
そのまま休んでいた建物の外に出ると、ミンジュン君は傍にあったコンテナの影に腰を下ろした。
『あの…頼み事って?』
「Aと話したかった。」
彼は少し気まずそうに目線を逸らしながらそう言った。
思ったより小さい頼み事に、思わず笑ってしまう。
それから暫くの間、彼とたわいも無い話をしていた。
時間を忘れて話していると、もうだいぶ日が傾いている。
『そろそろ中に入りましょ。』
完全に日が暮れてしまっては危険だ。
私がそう言って立ち上がると、彼は建物の中へ入ろうとする私を引き止めるように手を掴む。
首を傾げる私に、彼は言いずらそうに口を開いた。
「Aハ…響のこと」
「倉橋さん、ミンジュン!」
ミンジュン君が話出したタイミングで、間宮さんの声が話を遮った。
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n(プロフ) - リクエストのお話、ありがとうございました!最高でした…!! (2021年3月2日 23時) (レス) id: dbf834a117 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - それでお願いします (2021年3月2日 20時) (レス) id: 1283154a8f (このIDを非表示/違反報告)
なすび丸(プロフ) - こころさん» コメント、リクエストありがとうございます!事故チュー!素敵ですねっ!作者は小学生の頃、クラスメイトのいじめっ子と事故チューしてしまい、クラス替えまでの半年間本当に死にたかったです!(?) (2021年3月2日 16時) (レス) id: 3e2c112d2d (このIDを非表示/違反報告)
なすび丸(プロフ) - アンジュさん» 宇和島さんの時の響くんみたいな感じですね!(笑) 必死で切ない感じに仕上げられるよう頑張ります! (2021年3月2日 16時) (レス) id: 3e2c112d2d (このIDを非表示/違反報告)
なすび丸(プロフ) - ぽんちゃんさん» コメント、リクエストありがとうございます!逆パターンいいですね!順番に書かせていただきますので、楽しみにお待ちくださいませ! (2021年3月2日 16時) (レス) id: 3e2c112d2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なすび丸 | 作成日時:2021年2月23日 22時