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脚立が、ぐらりと後ろへ倒れていく。

慌てて窓枠を掴み、倒れていく脚立を蹴って窓へと飛び移った。






『痛っ…!?』


右足に電気が走ったような激痛を感じ、恐る恐る下を見る。


木製の窓枠は随分と古いのか、腐食してボロボロにひび割れていた。



その割れた木材の一部が、右足のふくらはぎに深く突き刺さってしまっている。



私の足から滴る血に、下にいる化け物達が大声をあげて手を伸ばす。




「A!早ク!」

ミンジュン君の声にハッと我に返り、何とか足を動かし、刺さった木材を抜く。



『…っぁ』


刺さった時以上の痛みに、顔が歪む。

ボタボタと血が垂れ、群がる化け物の声はさらに大きなものへと変わっていく。


羽織っていたカーディガンを足に巻くと、ミンジュンと間宮さんの伸ばす手を掴み、何とか飛び降りた。



『っ!!?』



着地の衝撃で、更なる激痛が走り、思わず声にならない悲鳴を上げしゃがみ込んだ。



二人が私の異変に気づき、目線を合わせてくれる。



『足が…』



必死に状況を伝えようとするが、痛みと焦りで言葉が出てこない。


それでもその一言ですぐに怪我に気がついた二人は、立てる?と私の体を支えてくれた。




“ヴァァ…ヴァ…”




「響君!!後ろ!!」



紹子さんの悲鳴に後ろを振り返ると、数体の化け物が私に迫ってきていた。

私の血に呼び寄せられているのだろう。


すぐに間宮さんが弓を構え、矢を放つが、倒した後ろからまたぞろぞろと化け物が現れる。



「A、乗ッて…!」



ミンジュン君が私に背を向けて屈む。

どうやら背中に乗れと言ってくれているようだが、申し訳なさが邪魔をして乗るのを躊躇ってしまう。


「A早ク!!」


初めて聞くミンジュン君の大声に、体が勝手に動いた。


「響、一旦離れよウ。」



間宮さんがミンジュン君の声に頷き、私達は走ってその場を後にした。

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(プロフ) - リクエストのお話、ありがとうございました!最高でした…!! (2021年3月2日 23時) (レス) id: dbf834a117 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - それでお願いします (2021年3月2日 20時) (レス) id: 1283154a8f (このIDを非表示/違反報告)
なすび丸(プロフ) - こころさん» コメント、リクエストありがとうございます!事故チュー!素敵ですねっ!作者は小学生の頃、クラスメイトのいじめっ子と事故チューしてしまい、クラス替えまでの半年間本当に死にたかったです!(?) (2021年3月2日 16時) (レス) id: 3e2c112d2d (このIDを非表示/違反報告)
なすび丸(プロフ) - アンジュさん» 宇和島さんの時の響くんみたいな感じですね!(笑) 必死で切ない感じに仕上げられるよう頑張ります! (2021年3月2日 16時) (レス) id: 3e2c112d2d (このIDを非表示/違反報告)
なすび丸(プロフ) - ぽんちゃんさん» コメント、リクエストありがとうございます!逆パターンいいですね!順番に書かせていただきますので、楽しみにお待ちくださいませ! (2021年3月2日 16時) (レス) id: 3e2c112d2d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なすび丸 | 作成日時:2021年2月23日 22時

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