第5話 ページ10
怪我のことも気になり、しばらくミンジュン君と二人で休んでいたのだが、なんだか皆のいる船の方が騒がしい。
『立てますか？』
私が手を差し出すと、彼は頷きながらその手を取り立ち上がる。
二人で船内の様子を覗きに行くと、横長の椅子に紹子さんの旦那さんである狛江さんが横たわっていた。
｢噛まれたんだ…ゴーレムに…｣
甲本さんが端的に説明し、状況を理解する。
｢私です…私が血の着いた船に、この人を誘ったんです。ゴーレムに襲わせるために。｣
『紹子さん…どうして…？』
淡々と話す紹子さんの顔は真剣で、冗談を言っているようには聞こえない。
｢殺したかったんです。ずっと。｣
光のない目で呟く紹子さんに、血の気が引いていく。
佳奈恵さん達の話によると、狛江さんとはDVが原因で1年も前に離婚していたらしい。
皆なにも言えず、重い空気が船内を包み込んだ。
とりあえず、いつゴーレムに変化するかわからない狛江さんを、外にある柱へ縛り付け、私達は今後のことを話し合うことになった。
｢どうするんだよ、紹子さん。｣
｢どうするって…？｣
｢人殺しだぞ。この後どうする。｣
｢いや、どうするもなにも、紹子さんは仲間だし…｣
甲本さんが話を切り出し、佳奈恵さんと話を始める。
『横浜まではもちろん一緒に行きますけど、その後は…』
｢警察に連れて行ってください。｣
私が話し始めると、どこから聞いていたのか紹子さんが入ってきてそう言った。
『でも…』
｢いいんです。人を殺したんです、当然でしょう？｣
紹子さんの言葉に、返す言葉はない。
どんな理由があろうと、紹子さんは狛江さんをゴーレムに襲わせたのだ。
｢ママ、何言ってんの？｣
紹子さんに続いて入ってきたのは、結月ちゃんだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 285人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あお(プロフ) - コメント失礼します。��or�△�、私的にミンジュン君が噛まれず主人公ちゃんが噛まれるっていうのもいいなって思ってます！毎日楽しみにしてます！この作品すごく好きなので何度も何度も読み返してます！！笑 (2021年3月1日 17時) (
レス) id: a4e0d9fce2 (このIDを非表示/違反報告)
愛理(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。ミンジュンのお話は初めてで、なすび丸さんのこの小説と出会えた時すごく嬉しかったです。私も7話死ぬほど泣きました。翌日二重が一重になってしまいました。今でも涙が止まりません。頑張って一緒に乗り切りましょう(;_;) (2021年3月1日 15時) (レス) id: e8a3e97b57 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - �，鬚�願いします！ (2021年3月1日 15時) (レス) id: 55a71b65f6 (このIDを非表示/違反報告)
あいす(プロフ) - �，鉢◆⇔省�みてみたいです、、 (2021年3月1日 15時) (レス) id: 3ed687a5aa (このIDを非表示/違反報告)
あかね - 初めてまして！いつもこの作品が大好きで、夢小説の中でも�，離魯奪圈璽┘鵐匹砲覆辰突澆靴い任后�夢主ちゃんとミンジュンくんを幸せになって頂きたいです！(>ω<。) (2021年3月1日 13時) (レス) id: f86f308459 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なすび丸 | 作成日時：2021年2月15日 1時
