第5話 ページ7
薬品を漁っている自衛官に気づかれないよう、そっとカーテンの裏にあった扉を開け、廊下へ出る。
音を立てないよう慎重に進んでいると、進行方向から入ってきた自衛官二人と鉢合わせてしまった。
急いで廊下の角へと逃げ込む。
自衛官は、私達が一般人であるにも関わらず、容赦なく発砲してくる。
危険を感じた私達は、一旦二手に別れて合流することにした。
間宮さんと共に外へ脱出し、合流場所である道路へ出ると、先程ここに残した記者の二人がゴーレムに喰われていた。
『っ…！？』
私は声にならない悲鳴を上げ、間宮さんは頭を抱え俯く。
ミンジュン君はまだ戻ってきていない。
『間宮さん、ミンジュン君は…』
私が続きを言う前に、間宮さんは再び院内へと走り出していた。
私も急いで後を追う。
廊下の奥から、なにか言い争う声が聞こえた。
覗き込むと、見知らぬ女性がミンジュン君に銃を向けている。
｢銃を降ろせ。｣
間宮さんが弓矢を構え、私も持っていたナイフを向ける。
｢なんで俺達を狙うんだよ…｣
｢首藤教授にとって、あんたは邪魔なのよ…｣
女性はそう言うと、間宮さんに銃口を向けた。
『首藤教授…？邪魔ってなんの事ですか…？』
首藤教授とは一体誰のことなのだろうか？
間宮さんの顔を見る限り、間宮さんの知り合いというわけでもなさそうだ。
｢余計な口は慎みなさい。｣
私が口を開くと、鋭い視線と銃口がこちらに向けられる。
私に銃口が向くと、ミンジュン君が焦ったように女性の腕を蹴った。
女性の手から離された銃が、カシャンと音を立てて床に転がった。
ミンジュン君は、失望したような怒ったような複雑な表情で女性を睨みつける。
｢行こうミンジュン。｣
間宮さんが扉の前でミンジュン君に声をかけるが、彼は女性が睨みつけたまま動かない。
『ミンジュン君…！』
私が彼の腕を引っ張ると、彼はやっと視線を外すと、女性の方を振り返ることなく走り出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 285人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あお(プロフ) - コメント失礼します。��or�△�、私的にミンジュン君が噛まれず主人公ちゃんが噛まれるっていうのもいいなって思ってます！毎日楽しみにしてます！この作品すごく好きなので何度も何度も読み返してます！！笑 (2021年3月1日 17時) (
レス) id: a4e0d9fce2 (このIDを非表示/違反報告)
愛理(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。ミンジュンのお話は初めてで、なすび丸さんのこの小説と出会えた時すごく嬉しかったです。私も7話死ぬほど泣きました。翌日二重が一重になってしまいました。今でも涙が止まりません。頑張って一緒に乗り切りましょう(;_;) (2021年3月1日 15時) (レス) id: e8a3e97b57 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - �，鬚�願いします！ (2021年3月1日 15時) (レス) id: 55a71b65f6 (このIDを非表示/違反報告)
あいす(プロフ) - �，鉢◆⇔省�みてみたいです、、 (2021年3月1日 15時) (レス) id: 3ed687a5aa (このIDを非表示/違反報告)
あかね - 初めてまして！いつもこの作品が大好きで、夢小説の中でも�，離魯奪圈璽┘鵐匹砲覆辰突澆靴い任后�夢主ちゃんとミンジュンくんを幸せになって頂きたいです！(>ω<。) (2021年3月1日 13時) (レス) id: f86f308459 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なすび丸 | 作成日時：2021年2月15日 1時
