第6話 ページ21
船に乗り込み、いよいよ駐屯地へ向けて出発する。
キーホルダーのことをもう一度お礼しようとミンジュン君の方を向くと、彼は深刻そうな顔でスマホを見つめていた。
なんだか今はそっとしておいた方がいい気がして、視線を下に下げる。
船内の緊張した空気に、イライラした様子の甲本さんがため息をついた。
｢国の女にでも見せんのか？｣
スマホをいじるミンジュン君の顔を覗き込み、そう言う。
ミンジュン君は何も答えず、黙ってスマホをバッグの中にしまった。
｢あれだろ？お空の写真大好き〜とかって言う女だろ？馬鹿馬鹿しい…｣
何故か執拗にミンジュン君に絡む甲本さんに苛立ち、睨みつける。
優しい彼も流石に腹が立ったようで、韓国語で甲本さんに何か言い返していた。
｢あ？何言ってんだ日本語で話せ！バーカ！｣
『ちょっと何なんですかさっきから…』
ミンジュン君が、思わず立ち上がろうとする私の肩を押して座らせると、再び韓国語でなにか言う。
｢おい…お前今俺の事馬鹿って言ったな？ざけんなよ…！｣
甲本さんが声を荒らげ、ミンジュン君の胸ぐらを掴んむ。
佳奈恵ちゃんが｢パワハラですよ｣と甲本さんを抑え、私もミンジュン君の服の袖を引いた。
向こうでは甲本さんと佳奈恵ちゃんが言い争いをしている。
ミンジュン君は不安げな顔で見上げる私の顔を見ると、｢ごめん…｣と呟いて下を向く。
『大丈夫ですか？』
｢……姉のこと、ちょっとナーバスになっただけ。｣
暗い表情を見せる彼を気遣い声をかけるが、そう言われるとどんな言葉で励ましていいか分からなくなる。
｢ダイジョウブ。｣
彼は言葉に詰まる私の肩を軽く叩くと、そう言って笑った。
思い詰めているのは彼の方なのに、逆に励まされてしまった。
『つらかったら、いつでも言ってくださいね。』
そう言うと、彼は驚いたような表情で私を見ている。
『あ……頼りないかもしれないですけど…』
もごもごとそう言う私に、彼は少し笑って｢ありがとう｣と言った。
｢おい、着くぞ。｣
ドアの開く音と坪井さんの声に、急に現実に引き戻される。
いよいよだ…
ポケットの中に戻ってきたキーホルダーをギュッと握り締め、気持ちを落ち着かせるようにふーっと息を吐いた。
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あお(プロフ) - コメント失礼します。��or�△�、私的にミンジュン君が噛まれず主人公ちゃんが噛まれるっていうのもいいなって思ってます！毎日楽しみにしてます！この作品すごく好きなので何度も何度も読み返してます！！笑 (2021年3月1日 17時) (
レス) id: a4e0d9fce2 (このIDを非表示/違反報告)
愛理(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。ミンジュンのお話は初めてで、なすび丸さんのこの小説と出会えた時すごく嬉しかったです。私も7話死ぬほど泣きました。翌日二重が一重になってしまいました。今でも涙が止まりません。頑張って一緒に乗り切りましょう(;_;) (2021年3月1日 15時) (レス) id: e8a3e97b57 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - �，鬚�願いします！ (2021年3月1日 15時) (レス) id: 55a71b65f6 (このIDを非表示/違反報告)
あいす(プロフ) - �，鉢◆⇔省�みてみたいです、、 (2021年3月1日 15時) (レス) id: 3ed687a5aa (このIDを非表示/違反報告)
あかね - 初めてまして！いつもこの作品が大好きで、夢小説の中でも�，離魯奪圈璽┘鵐匹砲覆辰突澆靴い任后�夢主ちゃんとミンジュンくんを幸せになって頂きたいです！(>ω<。) (2021年3月1日 13時) (レス) id: f86f308459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なすび丸 | 作成日時：2021年2月15日 1時
