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今は病室を掃除している
千切ちゃんは母親と一緒に診察へ行った
『良くなってるといいんだけど』
欲を言えば、走れるようになって欲しい
そしてまた、サッカーをしている様子を見たい
彼の走る姿が大好きで、
ずっと憧れていた
私は速く走れないから、
せめて支える存在でありたいと思っていた
今の私に出来ることは少ない
でも、だからこそ
その少ないことをしたい
『ふう、』
掃除は終了
次は……
ガラララ
『あ、』
千切ちゃんたちが戻ってきた
千切ちゃんはもう1人で歩けるようになっていた
千切母「…もうすぐで退院出来るって」
『そうなんですね!良かった』
あ、でも…
退院したら、私はまた戻るんか
えー、やだなぁ
千切母「でも、」
?
千切母「走るのは厳しいって…」
『え、』
千切「母さん」
千切母「ごめんね」
『ちょっと2人で話してもいいですか?』
私がそう言うと、母親は出て行く
千切ちゃんはベットに腰掛ける
『……』
私は前に立つ
『ねえ、どうする?』
千切「……」
『私はどの選択でも受け入れる
それは最初に言ったよね
だから、決めていいよ』
千切「……ん、」
千切ちゃんが腕を広げる
私は千切ちゃんに抱きついた
それと同時に、千切ちゃんも抱きしめる
『………』
千切「女主…」
『なに?』
千切「俺、諦めたい」
『うん』
千切「でも、諦めきれねぇ
どうすればいいと思う…?」
どうすれば……ね、
『それは自分で決めるべき
私が決めていいことじゃない
だから、後悔しない方を選んで』
千切「…うん、ありがとう」
私はちゃんと、支えることができているだろうか
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らず - 更新頑張って下さい!応援してます‼ (2023年3月29日 2時) (レス) @page38 id: 420a815871 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カフェオレさん | 作成日時:2023年3月24日 21時