口付けで塞いで ページ42
レイ「ハウスの時もアジトの時も。Aを置いていっちまった。そのせいで寂しがらせたし、辛い時そばにいてやらなかった。でもこれからはずっとAの隣にいるから」
薬指につけられた指輪の質量を感じて、どんどん現実味を増していく。
あぁ、これは夢じゃない、現実なんだって。
レイ「お前が何度転んだって、俺が支えたい。他の奴じゃダメなんだ」
涙でぼやける視界を必死にクリアにしながら、涙をこぼさないようにこらえる。
レイ「A、俺と＿＿結婚してください」
『〜〜っ！！』
嬉しさと感動と喜びとが全部入り混じって、それが全部涙に変わって溢れ出した。
前が見えなくて何度も手の甲で目元を拭う。
それを止めて、レイの親指の腹が優しく目元を撫でた。
聞きたかった言葉。
一度は諦めた言葉。
漠然とそう思って、でも不安になって、何回も眠れぬ夜を過ごした。
私、欲しかったんだ。
兄弟や友達からじゃなくて、ただ1人から向けられる、その感情が。
『っ、よろこんで……！』
レイに飛びついた。
レイは一瞬静止してから、それから力一杯抱きしめてくれた。
『なるの、レイのお嫁さんになりたいの。私を支えてくれる人はレイじゃなきゃ嫌なの』
ずっと昔から。
覚えてる？私の４つ目の、ハウスを出たらしたいこと。
レイとずっと一緒にいたい。
・
「あ！出てきた。いくよ？せーの、」
子供達の掛け声で、一斉に宙に花びらが舞った。
それはヒラヒラと落ちてタキシードやウェディングドレスの上に落ちていく。
ノーマン「結婚おめでとう、2人とも」
エマ「おめでとうー！A、めっちゃ綺麗だよ！」
照れるようにAは笑った。
レイ「当たり前だろ。俺の嫁さんだぞ」
ノーマン「わー惚気？」
会場に入りきらなかった家族たちは外に花道を作ってくれていて、そこを通ると数々の祝福の声が聞こえてきた。
レイは、ウェディングドレス姿のAを見た時、間違いなく世界で一番美しい人だと思った。
惚気ではなく、だ。
彼女ほど白が似合う人は、後にも先にもいないだろう。
『レイ、私のこと、死んでも離さないでね』
レイ「俺がお前の手を離すと思うのか？」
『ふふ』
2人で目を合わせて、笑った。
レイ「A、愛してるよ」
『うん。私も、世界で一番愛してるわ』
これからの人生、全部一緒に歩んでいこうね。
ありがとう、最愛の人。
【完】
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鯛だし塩ラーメン - 本当にないてしまいました。作品のクオリティもそうですが、今もガチ泣きしています。軽い気持ちで読み始めた作品でしたがクオリティの高さに驚き感銘を受けました。これで読むのは2週目ですがこの作品は月一で読みたいです。 (2月23日 0時) (
レス) @page49 id: fe38abeccf (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無％(プロフ) - 何回も読み返します、色々伝えたいことはあるのですが、流石に失礼します！ほんとのに大好きです‼︎長文失礼しました (2023年1月10日 9時) (レス) @page49 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無％(プロフ) - ずいぶん前ですけど、完結おめでとう御座います!本当に泣いてしまいましたし、言葉などとても綺麗です!物語ももちろん解説などとても感動しました!自分の好きな書き方で、とても尊敬しています。長編お疲れ様でしたずっと応援させて頂きます!とても楽しく面白かったです (2023年1月10日 9時) (レス) @page49 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
未麗 - 感動しました〜〜(T ^ T) ピーターとの関係性、家族愛、レイとの物語（？）全てに感動しました。これからも頑張ってください。応援してます！！ (2022年11月7日 10時) (レス) @page49 id: 68238521a7 (このIDを非表示/違反報告)
Luna - 途中でちょくちょく泣いちゃうようなお話でした！とても面白かったです！こんな素敵な作品を書いて下さりありがとうございました！ (2022年9月19日 1時) (レス) @page49 id: 3d29eeb498 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アイリス | 作成日時：2021年10月27日 7時
