親の再婚相手の子供が歌い手だった件について【歌い手】

28話 ページ35

ーよくじぃつー

おはようございます皆様。とてもいい朝ですね。青い空、元気な小鳥達。鬼のような顔をした渉くん。目の前の現実から遠ざかりたいですね。

渉「…そろそろ行くぞ」

『…嫌だって言ったらどうしますか…』

渉「なぁもうそれ何回目！？早くいこうよ！
そらるさん達だって暇なわけじゃないんだから
嬉しいと思って行った方がいいんだからな！？」

『…そうですけれども…やはりその…抵抗がありまして…』

渉「もういい早く行くぞ。遅れる」

『うぁぁぁぁぁぁぁ』

ーー

渉「…ついたぞ。多分もう中入ってるから
はよいこ」

『…はぃ…』

私の声なんてksだから。
やだよ。やだよやだよやだよやだよやだよやだよやだよやだよや((

渉「失礼しまーす」

ま「あ、うらたさん！遅いよー」

渉「ごめんごめん。こいつ連れてくんのに手間取っちゃって」

『うぅ…ちどい…』

そ「…もしかして隠神さん？」

『…へぁ…？』

ま「たしかに…！なんとなく声似てますね！」

渉「…いえば？」

『あ…はい…そうなんですよ…私が隠神です』

そして突然の身バレ。
災難だな今日。


ま「えー！！ほんと！？昨日のうらたさんの配信見てたんだけど、声が超好みなんです！」

『…マジすか…』

そ「俺も声好き。てことで歌って欲しいなあ」

(˙꒳˙ )？
なんでこの流れでこうなったんすか。おかしくないですか？

渉「いいじゃん歌いなよ。なんの曲なら分かる？」

『あー…。ボカロならなんでもいいです…』

渉「え、ボカロ知ってんだ…！？初めて知ったんだけど」

ま「あ、あれはどうかな。lemon」

そ「ボカロか…？まあいいけど」

『あ、知ってます！クラスの子が歌ってた気がします』

ま「良かった！じゃ、頑張ってね」

『うぅ…』

静かに曲のイントロが流れ出す。
これこれ。本当にいい曲だと思うんですよ。

『……、夢ならばどれほど、よかったでしょう…未だにあなたのことを夢に見る_』

そ「…うまくない？」

ま「めっちゃ綺麗な声じゃないですか…」

『…あの日の悲しみさえ、あの日の苦しみさえ』

そ「サビ鳥肌不可避」

ま「不可避」

ー曲終了ー

『…どうでした…？あの、先に言っときます。下手だってことをオブラートに包む必要は無いですからね』

そ「いや…めっちゃ上手だった」

ま「うん。何も言えないです」

『お世辞ですか…！？悲しい…！』

そ「本当本当。歌ってみた出したらいいと思う」

『…歌ってみた？』

歌い手活動。そういうことだよね。

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