アムネシア4 (ページ37)

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172.記憶がなくてもページ37

「私はヴェール！もう1度お友達になってくれる？Aさん」

そう言って彼女は素敵な笑顔を見せ

私の手を握った、

それを断る理由なんてない

『もちろん！ホントは、理央って名前なんだけどね…』

「でも私はAって呼んでもよろしい？そっちの方が呼びやすいの」

『いいよ、私も皆にそう呼ばれるからだんだんそっちの方が良くなってきちゃった』

「たとえ記憶がなくても、私達はお友達ですわ！」

『うん！

それで、えっと、彼は？』

ずっとヴェールの後ろに立っている男の人

気になってしょうがなかった

「あぁ、彼はカジモドよ。この大聖堂の鐘を鳴らしているの。

とても醜いでしょ？だから優しいフロロー様がここにいさせてあげてるのよ。流石フロロー様だわ」

『そうなんだ…』

見た目だけでそんな目にあってるなんて…

それじゃあ彼にとって…

ここはまるで

『鳥籠……』

「！！」

「Aさん？いかがなさいました？」

『あ、いや、何でもない』

彼女はフロローさんのことを尊敬、いやここまで来ると崇拝しているのだろう

私が呟いた時、彼女はすごい顔をしていた

まあ、ヴェール自体は悪い子では無さそうだし

前の私のお友達みたいだから、嫌いにはならないけどね

『初めましてカジモド、私は理央…、オリヴィアよ。よろしくね』

「は、じめまして…」

露骨に怖がられてしまうとこちらも悲しい

こんな時は笑顔で相手に警戒されないように。

『大丈夫、私は貴方の見た目がどうこうなんて言わないよ

ただ、仲良くなりたいだけなんだっ』

「ありがとう、ございます…」

ニコッと笑うとカジモドは照れながら顔を逸らしてしまった

可愛いな、おい

ニコニコしてると、扉が突然開きなんの騒ぎだと声が聞こえた

「フロロー様！

聞いてください！Aさんが来てくださったの！」

「A…？あぁ、前に話していた子か」

『初めまして、りお…Aです』

「フロロー様っ彼女と街を歩いてもよろしいでしょうか」

「あぁ、構わない。行ってくるといい」

「ありがとうございますわ！

では行きましょう！」

嬉しそうにヴェールは私の腕を引き走り出した