アムネシア4 (ページ4)

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143.私は。ページ4

「おまっ…、お前、分かってるんだよな！？」

『…うん、わかった上で言ってます。

エイトフットさん、最後のお願い。

ジャックさんにゲームの約束守れなくてごめんね

アップルさんにりんごケーキ美味しかった

ダルさんにお散歩楽しかった

マルフィさんにお空の散歩すごく気持ちよかった

って伝えて欲しいんだ

あ、それからヴェールさんに一緒に歌えなくてごめんねって

ホックさんには……』

「んなに覚えらんねーよ」

そんな顔しないでよ
辛そうな顔をされると、こちらも辛くなる。
それでも、笑っていよう。

『あはは、そうだね、じゃあ皆に一言

お別れ言えなくてごめんねって』

「……」

「とても残念だよ、君は彼らといい関係を結べたと思っていたんだが…」

『自分がいい人、なんて言えないけど

だからと言ってヴィランズには向いてないですよ

弱虫で、何も出来ない

…私は、何も知らないでここにいました

何度か困ったこともあるけれど

皆さん優しくて…

本当にあのヴィランズの手下なのか分からないぐらいに……

ダメなんです、それじゃあ

強くて、かっこよくて、美しくないと

そして悪役らしくいないといけない

自分勝手なのは分かってるけど、

でも、それでも私はここにいれない』

「お前、それはっ」

『もういいんです、楽しい時間は終わり

…夢は早く覚めないと』

本心じゃない、適当なことを言っているだけ
思いついたそれっぽいことを言っているだけ
本当は何も考えてない。

ただ戻るのが怖いだけ。

でも、それでも最高の笑顔で言ってやると

Ｖさんはフッと笑った