アムネシア4 (ページ21)

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156.その名前ページ21

「さて、そろそろ帰ろっかな」

『送るよ』

「いや、玄関まででいいよ」

『でも…』

「友達と遊んで見送った後、家に戻ってきた時寂しいんでしょ？

だから、玄関まででいいそれなら寂しくもないでしょ？」

『うーん、もうそんな事無いけど』

「まあまあ、良いじゃん

ホントは送ってもらいながら喋りたかったけどさそうは行かないんだ」

『そうなの？』

「うん、そうなの」

玄関につくと、あゆは私の手を握った

『あゆ？』

「李央といるのは楽しかったなぁ…」

『どーゆうこと？』

「…」

『ねぇ、あゆ？』

「李央…いや、

A、本当にここにいていいの？

あなたには別の居場所があるはずだよ？」

時間が止まったかのように感じた

A、その名前に聞き覚えがあった

“早く来い、A”

夢ではよく聞こえなかったがA、そう呼んでいたと確信した

「じゃあね、李央...」

パタンと扉が閉じ、私はその場に座り込んでしまった