Into your eyes【黄】

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望の歓迎会。居酒屋をほぼ貸切って開かれた。


営業部の男の人達の中に1人混ざる私ってなんなの……





「A全然飲んでないやん！俺のこともっと歓迎会してや〜」



始まって早々望はもういい感じだし…

ぴったり隣に座ってきて離れないんだから




「望飲み過ぎだよ？まだ始まったばっかなのに」



「うるさいわ
お前全然飲んでへんくせにー」




ぎゅううううー、

壁と望に挟まれて押し潰されそうになる。




「はいこれ飲んでな？
俺を歓迎するなら飲んで」



おちょこに注がれたのは多分日本酒。
日本酒なんておいしいと思ったことない。

おいしくないものを飲むのなんて嫌なんだけど…。




「なんなんその不満そうな顔！
課長っ！高橋さんが飲んでくれないんすよぉ」



っ、課長呼ばないでー！
課長が飲ませたがりなの有名だし、上司に言われたら断れないよ…




「高橋ちゃ〜ん、飲まなきゃ？元カレ小瀧泣いとるで？(笑)」



「もっ！元カレじゃないのでほんとに！」



「いいからほら飲んで飲んで」




テーブルのみんなの注目が私に集まる。
ここでほんとに断ったらどのくらいシラケるんだろう…




恐る恐る手に取った白いおちょこ。
なみなみに注がれてる透明なお酒。


そおっと鼻へ近づけると強烈なアルコールの匂いが刺激する、





………よしっ、



ごくっ、



息を止めて一気に飲み干すと





「…やるやん！さすがA」




隣でぱあっと望が笑う、他の人もニコニコしてる。



………お酒飲むだけでこんなに盛り上がるんだ。





そう思うと口に広がる苦い味もあんまり気にならなくて魔法にかけられたみたい。

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