聖帝のシード【剣城京介】 (ページ4)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:6,424 hit

＊ページ4

.

翌日、私は雷門中へと向かった。車の中で思う。なぜ聖帝は私に京介がフィフスセクターから抜けたことを教えてくれなかったのか。今までの聖帝なら教えてくれていたのに

「あ、そっか」

1つの考えが出てきた瞬間、腑に落ちた。聖帝は私がフィフスセクターから抜けることを恐れたんだ。だって私がいなくなったら、聖帝の"目標"が達成できなくなるから

「本当なら、今日雷門で知ることだったんだね。聖帝もめんどくさいことする人だなあ」

数時間車に揺られていつの間にか寝ていた私。運転手に起こされる。どうやら雷門に着いていたらしい。そのまま車を降りてサッカー塔へと向かう。中学校なのに、何この設備、すごくない？

感動しながらサッカー塔の中を歩いていると何やら賑やかな部屋を見つけた。私が近づくと自動ドアが開く。部員全員の視線が私へ向かってきた。驚いて固まると聖帝が言っていた"とある人物"に声をかけられた

「久しぶりだな、A。奴は元気にしているのか？」

「お久しぶりです、鬼道さん。あの御方は元気になさってますよ」

「そうか、ならいい。こっちへ来い」

鬼道さんに言われてスクリーンの前へ立つ。部員全員を見渡すと愛おしくてしかたがない京介の姿があって顔が緩んでしまう。京介は驚きすぎて固まってるけど...

「こんにちは、佐原Aです。フィフスセクターのシードです」

そう言ってニコリと微笑むと部員からは帰れだなんだのバッシング。隣の鬼道さんははぁ、と溜息をついている。え、ひどいなあ