9話 ページ9
「ねぇ」
「...何?貴女から私に話しかけてくるなんて珍しいじゃない」
あのもう1人の姉役の鬼が敵意を丸出しにしながら私に話しかけてきた。累は今、あの御方に呼ばれて山を降りているためここにはいない。木の上に座っていると彼女に声をかけられたのだ
「累が呼んでるわ」
「...累が?」
彼女が指を指した先に累はいた。いつの間に居たのだろうか。目を見開いて固まっていると黙ったまま累は手招きをする。私は木の上から飛び降りて累の元へと向かった
「累...?」
「無惨様が姉さんに会いたがってる」
「えっ...?」
私が驚いた直後、琵琶の音が聞こえていつの間にか変な空間に累と共に立っていた。驚いて声も出せないでいると感じた恐ろしい気配。そちらの方を向くとあの時私を鬼にした鬼舞辻無惨様が立っていた。私は忠誠を誓うように膝を付いて頭を下げる。身体中の血がどくどくと激しく流れているため、この状況がどれほど危険なのかを物語っている
「...お前は、あの時の。そうか、それで累の元にいるのか。...あぁ、話してよいぞ」
「...お久しぶりでございます。貴方様のお陰で大嫌いなあの愚か共をこの世から消すことが出来ました。本当にありがとうございました」
「構わん。その気持ちを忘れるな。そしてもっとたくさんの人を喰らい、私の役に立つがよい。そうだな、もう少しお前が強くなったら、累と同じ位をやろう」
そう言われて私と累は思い切り顔を上げた。無惨様は笑っている。私が...私が累と同じ下弦の伍に?累はそれで良いのだろうか。そう思いながら累を見ると私の視線に気づいたのかこっちを向いた
「嬉しいよ、A。僕たちは本当の家族だ」
そう言って笑った累と私に少量の血をくださった無惨様を少しだけ恐ろしいと思ってしまった
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アオイ - 最後めっちゃギャン泣きした(´;ω;`)この作品良き (2021年12月4日 21時) (レス) @page21 id: c4dfd681b0 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - 白露さん» ほんとですか!?こちらこそありがとうございました!新作も頑張りますー! (2019年12月31日 22時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - y126yさん» 完結しましたー!待って下さりありがとうごございました! (2019年12月31日 22時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - ゆさん» やっと完結しました!続き待たせてしまって申し訳ありません(泣) (2019年12月31日 22時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
白露 - ラストに泣きました(感動して)。凄い作品をありがとうございました。新作楽しみにしてます、頑張って下さい。 (2019年12月31日 20時) (レス) id: 4f1f916ec6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パフェ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年8月29日 23時