14話 ページ14
義勇side
1年前、足先が凍ってしまいそうなほど寒い冬の日に俺はとある山を訪れた。御館様によると十二鬼月がいるかもしれないとのこと。一般の隊士では歯が立たないからか、行方不明者が多発していたらしい。山に足を踏み入れる直前、禍々しい気配が俺を包んだ
「...いる」
ここには十二鬼月がいる。そう確信した俺は山に入り、散策を始めた。ある程度歩いていると目の前に鬼がやってきた。白い浴衣を着た、小さな子供。目に数字は入っていないが、随分人を食らっているらしく、俺に敵意を剥き出しにしてきた
「帰れ!帰らないのなら殺す...!」
「俺は帰らない」
俺の言葉に反応したその鬼は俺の方に走ってくる。遅いな、切れる。そう思った俺が刀に手をかけた時だった。無数の糸が俺を襲い、数本の糸が鬼を助けた。驚いてその方向を見ると、あの時感じた禍々しい気配をした鬼がいた
「逃げなさい。累の元へ」
「で、でも姉さんは、それにっ、逃げたなんて言えないっ!」
「私が言ったと言いなさい。大丈夫。無事にみんなの元へ帰るわ」
「あ、わ、わかったっ、」
俺はその会話に疑問を持った。鬼に家族などない。血縁関係があったとしても、覚えていることはない。ただその鬼を見つめていると鬼は立ち上がって俺の方を向いた
「ここから立ち去りなさい。私たち家族の静かな暮らしを邪魔をしないで。貴方、柱でしょ?貴方みたいな強い人とはあまり戦いたくないわ。死にたくないもの。でも、どうしても帰らないというのなら、戦うしか術は無いわ」
「鬼殺隊は鬼を滅する。俺は帰る気は無い」
「...そう、残念」
そう呟いた鬼は無数の糸で俺を囲った
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アオイ - 最後めっちゃギャン泣きした(´;ω;`)この作品良き (2021年12月4日 21時) (レス) @page21 id: c4dfd681b0 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - 白露さん» ほんとですか!?こちらこそありがとうございました!新作も頑張りますー! (2019年12月31日 22時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - y126yさん» 完結しましたー!待って下さりありがとうごございました! (2019年12月31日 22時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - ゆさん» やっと完結しました!続き待たせてしまって申し訳ありません(泣) (2019年12月31日 22時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
白露 - ラストに泣きました(感動して)。凄い作品をありがとうございました。新作楽しみにしてます、頑張って下さい。 (2019年12月31日 20時) (レス) id: 4f1f916ec6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パフェ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年8月29日 23時