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story 40 ページ41

手紙を最後まで読んだ俺の目からは大粒の涙が零れ落ちている。手は震え、足の力が抜けて地面に座り込む。涙が手紙を濡らしていき、字が霞んでいく


「こんなのっ、卑怯だっ...!」


俺の方が一目惚れだった。鬼の匂いがする彼女を見た時、感じたことのない感情に心が支配された。善逸に言われるまでこの気持ちがなんなのか俺にはわからなかった。だが、わかった瞬間、貴女にまた会いたいと、貴女を守りたいと、そう思ってしまったんだ


「あの時っ、伝えればよかったんだっ、そうすれば...っ、こんなことにはならなかった...!」


両想いだったのなら、あの時素直に言えば良かった。あの鬼に殺されかけていたとしても、本人に伝えるべきだった、伝えたかった。でも彼女が死んでしまった今、それは叶わない夢となってしまった


「...馬鹿だ俺は、本当に」


隊服の袖で涙を拭き、手紙を懐に入れて冨岡さんの元まで走る。この手紙を読んでいない冨岡さんは彼らを殺してしまうかもしれない。約束してしまった以上、それを守らなければならない。無我夢中で走り続けていると冨岡さんの血の臭いが強くなってきた


「っ、冨岡さん!!」

「っ、竈門...!」

「久しぶりだなあ、小僧」


そこにはあの2人の姿はなく、上弦の参と冨岡さんしかいなかった


「あの2人はどうしたんだ!」

「...逃がした。俺はあの2人の様子を見に行くよう言われただけだ。もうすぐ夜が明ける。お前らと戦う気もない」


そう言った上弦の参は俺が刀を抜く前にその場から立ち去っていた。怪我をした冨岡さんを連れて俺は山を降りた

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黛パフェ(プロフ) - 自分のことを愛して必要としてくれる累を最終的に選んだ、ということになります。もし累ではなく炭治郎と先に出会っていたら炭治郎を選んだと思います!というような感じです! (2021年10月27日 18時) (レス) id: 8c9d1a6f15 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - ありあさん» 作品を読んでくださり、ありがとうございます。私の中では、人間の自分を助けて必要としてくれた累に依存してしまっていて好きだと思い込んでいる時に炭治郎に一目惚れをしてしまった、という感じですね。炭治郎が夢主を好きだというのを夢主は知らない訳ですから (2021年10月27日 18時) (レス) id: 8c9d1a6f15 (このIDを非表示/違反報告)
ありあ - とても面白かったです。一つ疑問に思ったのが炭治郎に一目惚れしたのに地獄で累にあった時恋焦がれていたと書いてあります。ということは夢主は二人を同時に好きだったということですかね? (2021年9月20日 16時) (レス) id: afb0d23f81 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - あやりんさん» 見てくださってありがとうございます。地獄でもラブラブしてて欲しいです笑。本当にありがとうございました! (2020年7月24日 19時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
あやりん - 感動しちゃいましたーー!!(泣)地獄に、堕ちて、会うなんて。。。もう泣くしか無い!!! (2020年7月24日 17時) (レス) id: 5191a250c9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:パフェ | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年8月14日 12時

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