検索窓
今日:14 hit、昨日:40 hit、合計:1,579,714 hit

story 32 ページ33

童磨side


「...そんなことありませんよ」


A殿は微笑んでそう言った。そんな見え見えな嘘つかなくてもいいのに。首元の汗と布団を握りしめる拳がA殿の体調がどれほど悪いか物語っている。それほどまでに辛いのに嘘をつくなんて人間の気持ちはやはり分からないな


「そうかそうか!ならいいんだ。それじゃあまた来るよ。さようなら、A殿」

「はい、ではまた」


また次が来るのだろうか。人間は弱く、脆く、儚い。尊き命だと言うけれど、俺にはわからない。累くんはなんで人間なんかを孕ませたのかなあ。死んだ鬼なんて興味はないけど、そこだけは気になるところだ


「おい」

「何だ?猗窩座殿?」


屋敷を後にした猗窩座殿が珍しく俺に話しかけてきた。本当に珍しい。明日は雨が降るね、きっと


「あの女はどうだったんだ」

「おやおや、気になるのか?人間嫌いの猗窩座殿、どういう心境の変化かな?」

「黙れ。無惨様が生かした人間だから気になっただけだ。くだらないことをほざくな」


やはり俺には言葉がきついな猗窩座殿は。嫌いではないけど、もう少し優しくしてくれてもいいんじゃないかとも思うが


「さようなら、とだけ伝えたよ」

「...そうか」


俺の言葉で何かを察した猗窩座殿は目を見開いて固まった。心做しか悲しそうな顔をしているのは気の所為かな?猗窩座殿が多少なりとも心を許したという証拠であろう。A殿が羨ましい。猗窩座殿は我に返ると黙ったままどこかへと行ってしまった


「いいじゃないか。もうすぐ累くんに会えるのだからな」


早く愛する人に会いたいだろう?

story 33→←story 31



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (1291 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2196人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 ,
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

黛パフェ(プロフ) - 自分のことを愛して必要としてくれる累を最終的に選んだ、ということになります。もし累ではなく炭治郎と先に出会っていたら炭治郎を選んだと思います!というような感じです! (2021年10月27日 18時) (レス) id: 8c9d1a6f15 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - ありあさん» 作品を読んでくださり、ありがとうございます。私の中では、人間の自分を助けて必要としてくれた累に依存してしまっていて好きだと思い込んでいる時に炭治郎に一目惚れをしてしまった、という感じですね。炭治郎が夢主を好きだというのを夢主は知らない訳ですから (2021年10月27日 18時) (レス) id: 8c9d1a6f15 (このIDを非表示/違反報告)
ありあ - とても面白かったです。一つ疑問に思ったのが炭治郎に一目惚れしたのに地獄で累にあった時恋焦がれていたと書いてあります。ということは夢主は二人を同時に好きだったということですかね? (2021年9月20日 16時) (レス) id: afb0d23f81 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - あやりんさん» 見てくださってありがとうございます。地獄でもラブラブしてて欲しいです笑。本当にありがとうございました! (2020年7月24日 19時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
あやりん - 感動しちゃいましたーー!!(泣)地獄に、堕ちて、会うなんて。。。もう泣くしか無い!!! (2020年7月24日 17時) (レス) id: 5191a250c9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:パフェ | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年8月14日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。