1日目 ページ2
「...こんな山の中に家を建てるなど、食ってくれと言っているようなものだろう」
そう呟いて俺はその家に足を踏み入れる。大きな庭には豪華な池があり、俺は美しいとは思わないが鯉が2匹泳いでいる。何の気配もしない。人間は住んでいないのだろう。そう思い立ち去ろうとした時だった
「どなたですか?」
いきなり声をかけられて、驚いた俺は振り向く。すると、先程まで誰もいなかった縁側に1人の女が立っていた。青色の着物を着ており、髪は綺麗にまとめられた、見たことのあるような顔をした女だった
「こんな所に何の用で...ごほっ!げほっ、ごほっ...ぅ、」
口から血を吐き出し、その場に倒れた女。鬼の俺が助ける義理もないだろうと、そう思った時、部屋の奥からまた1人、次は男が出てきた。その瞬間、俺の鬼としての本能が目覚める。一瞬で男の元へ行き、首の骨と声帯を握り潰し息の根を止める。男の死体を貪るように食べていると先程の女が落ち着いたのか俺を見つめていた
「目の前で自分の知り合いが食われているというのに怖くないのか?」
「...怖くない、と言えば嘘になります。でも、貴方は私を食べようとしなかった。優しい御方です」
「はっ、優しい?お前は変わった人間だな」
「変わっているかもしれませんね...。あの、厚かましいとは思いますが、お名前を聞いてもよろしいですか?」
そう言って鬼の俺に優しく微笑むこの女を不思議と嫌だとは思わなかった。だからだろう。名前を教えてしまったのは
「...猗窩座だ」
「猗窩座さん。私はAと申します。よろしくお願いしますね」
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rio - とっても素敵なお話でした…!猗窩座殿、好きです…!!ありがとうございます(; ;) (2020年11月1日 21時) (レス) id: 0ce86c1008 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - 梦雨さん» ありがとうございます!!猗窩座にはぜひ人間の女の子と絡んで欲しいなあと思って作りました!頑張ります! (2020年4月11日 14時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
梦雨 - すごく読みやすくて素敵なお話ですね!わたし鬼の中で一番猗窩座が好きなのでこういう作品はすごくありがたいです…!続きがすごく気になります!更新楽しみにしてます! (2020年4月11日 12時) (レス) id: 6806c82317 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - マキラさん» ほんとですか!ありがとうございます!! (2020年3月16日 21時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
マキラ - 正直に言いますと、私は、貴方を尊敬しています! (2020年1月3日 23時) (レス) id: 02a5017c6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パフェ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年9月17日 1時