41 雅紀Side ページ1
「なに？
なに？何言ってんの？」
俺の焦る声にも彼は微笑んでいる
その笑顔のままで雅紀、と一言呼びかけた
「驚かせたね
でもこれは本当のことなんだ
だから…」
翔ちゃんは少し眉を下げて、そのまま言葉をつなげようとして口を開けたけど困ったように口を閉じた
喋る人がいなくなったせいで周りのセミや虫の音がやけに大きく耳に届く
ミーンミーンと大きく大きく続く鳴き声にセミの想いを感じる
7日しかない命
きっと、この命の長さを、セミたちは知っていて必死に鳴き続けるのだろう
7日、命の長さ、残りの時間…
健太はきっと残りの時間を知っていた
命の長さを知っていた
俺は…
俺は健太に何ができたのだろう
相葉さん、という呼び声ではっと現実に戻った
「さっき言ってたじゃん
俺と翔さんは中学の頃からの知り合いだって
俺は13歳の時から翔さんのこと知ってんの
あんたとは俺が幼稚園の時からの知り合いだ ろ？
俺が今まで信用できないやつをあんたに
紹介したことあったか？」
俺を叱りつけるように言うにのの言葉は全くの正当な言い分で、でも俺には否定することも肯定することもできず首をゆるゆる振るしかない
首を振りながらちらりと大ちゃんを見ると心配そうに翔ちゃんを見つめるだけだ
その目線をたどり翔ちゃんを見るとなんとなく上半身がふらふらしているような、なんとなく顔色が悪いような、万全の体調とは言い難い翔ちゃんがいた
どうしたの？大丈夫？
そう聞きたいのに体は追いつかない
頭の中はさっきの話、いや、自分のことでいっぱいで翔ちゃんにかける言葉は持っていなかった
そんな俺を見たにのがはあっとため息をついて口を開いた
「相葉さん
翔ちゃんが言ったのは本当だよ？
本当に翔ちゃんは健太に会ってきたよ
健太に会ってきて欲しいって俺が頼んだんだ よ」
違う、違うよ翔ちゃん、大ちゃん
違うよにの
信じてないわけじゃないんだ
信じてないわけじゃない。
ただ、頭が追いつかないだけなんだ
上を向いてすーっと息を吸ってはぁーっと吐く
新鮮な空気のおかけで頭の靄が晴れた気がした
目線を下げてみんなの目を見て口を開いた
「健太は？
健太はなんて言ってた？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 42人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
苑子(プロフ) - こんばんは。お久ぶりです！とても大好きな作品で続きが気になりますが、ゆっくり待ってます(^^)頑張って下さい。 (2016年8月14日 19時) (
レス) id: f3218549d4 (このIDを非表示/違反報告)
はにぃ(プロフ) - 優子さん» ありがとうございます！そうですね、次は潤くんの番です！翔くんのこと信じて頑張って欲しいですね！ (2016年1月29日 23時) (レス) id: fa259dd83e (このIDを非表示/違反報告)
優子 - 読みました。翔君のお陰で雅紀君元気になったね。今度は潤君だね。続きが気になります。 (2016年1月26日 7時) (レス) id: 059e629431 (このIDを非表示/違反報告)
はにぃ(プロフ) - 優子さん» ありがとうございます！そうなんです、にのちゃん大活躍ですね笑次はじゅんくんの番がやってきますよー！応援してやってください笑 (2016年1月10日 0時) (レス) id: fa259dd83e (このIDを非表示/違反報告)
はにぃ(プロフ) - 苑子さん» あけましておめでとうございます！そして、ありがとうございます！ようやくじゅんくんの番がやってきそうです！笑皆さんに忘れられないうちに活躍して欲しいところです笑 (2016年1月10日 0時) (レス) id: fa259dd83e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はにぃ | 作成日時：2015年10月25日 15時
