二人は友達 (ページ6)

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は？タクシー乗れないん？しかも駅遠いんかよ。てかそもそもあまりお金持ってきてなかったからタクシー家まで乗れなかったわ。どうしよ歩いて帰るにも慣れないヒールで来ちゃったし地味に靴擦れ痛いんだよなぁ…八方塞がりとはまさにこの事。
「あ、ちょっと待ってて下さい…もしもし？」
彼は、頭を抱えてしゃがみ込んだ私を見て誰かに電話をし始めた。なんか申し訳ない。私はしゃがみ込んだまま彼を見上げる。やっぱりこの人身長高いわ、久しぶりだなこの感覚。首痛ぇ。

………怖い。

いやいやいや、何考えてんだ私。もう克服したじゃないか。とっくの昔に。それに彼があんなやばい人とは思えないし。
…でももし怖い人だったら？
そんなマイナスな事を考えてしまう弱い私がいる。でも、でも、でも…
「…あの！」
「ｯはい？」
急に話しかけられて少し返事が遅れてしまった。
「何とか連絡着いて帰れそうなんですけど…大丈夫ですか？顔真っ青ですよ？」

…やばい、心配かけた。

「あ、あ〜大丈夫です。私貧血持ちなんでいつも顔色悪いんですよ〜、アハハ。」
「そ、そうなんですね。」
何とか嘘で誤魔化せたけど心が痛いわ。そんな心配そうな顔で見ないで〜！「そ、それより私どうすれば…？」
無理矢理話を変えた感出たけど大丈夫だろう。
「あ、はい。駅まで送れば大丈夫ですか？」
「あ、駅まで送って頂ければ後は自分で。帰れるお金は持ってるんで。」
「分かりました。じゃあ着いてきて貰えますか？」
「はい、分かりました。」
私は彼の後をついて行った。