二人は友達 (ページ44)

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「この人たちの話は気にしなくていいから。」
宗くんは少し呆れた顔をしながら言った。その呆れ顔をじっと見つめていると目の下辺りに何かゴミがついているのが見えた。後何回か瞬きしたら目に入りそうな位置。
「…宗くん、ちょっと屈んでくれない？」
「えっ」
身長的に届かん!!
｢お願い！｣
｢う、うん｣
圧に負けたのか自分の身長の高さに合わせてしゃがんでくれる宗くん。ほんと身長高すぎ。いや、私がチビなだけか笑
｢目閉じててくれる？すぐ終わるから。｣
｢…ｯ、分かった。｣
宗くんはしゃがんだ体制のまま目を閉じる。よし、これで、
｢はい、取れた。目、開けていいよ。｣
ゴミはちゃんと近くにあったゴミ袋へポイ。さらばだ。他にもついてないかなとじっと顔を観察していた時、宗くんは目を開けた。が、そのまま動かない。
｢……？もう動いてもいいけど…｣
｢…え、あ、うん。ありがとう。｣
お礼も聞いたことだし、そろそろ席へ向かうとしますか!!時間的にもちょうどいいかも。
｢いいえー…そろそろ試合でしょ？私、席に行くね。応援してる。頑張ってね。｣
｢…うん、頑張る。｣
宗くんは胸に手を軽く当てながら言った。多分己を鼓舞してるんだろう、知らんけど。
部屋から出る寸前、宗くんに呼び止められた。そして大きく『村上宗隆』と書かれているタオルを貰った。こんなもの申し訳なくて貰えないと断ったらそれを持って応援して欲しいと熱く言われた。そこまで言われたら受け取らざるを得ないじゃないか!!結果、応援グッズも何も持ってきてなかったため、ありがたく頂くことにした。