二人は友達 (ページ41)

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「スタジアムの裏側ってこうなってるんだ…」
私はキョロキョロと辺りを見渡し、先を歩いているスタッフさんに着いていく。スタッフさんは度々擦れ違う人達に時折挨拶をしながらどんどん奥へと歩いていく。
「着きました。こちらの部屋です。」
「ﾍ…?」
案内してもらった先にあったのは座席ではなくとある部屋だった。
「あ、あの私席を案内してもらおうと思っていたのですが…」
「…ですが、連れてきて欲しいと言われた場所はここです。」
スタッフさんは手持ちのスマホで誰かに連絡をしようとしている。きっと合っているかの確認をしようとしているのだろう。
「わ、わかりました。案内ありがとうごさいました…」
それは申し訳無かったので礼を言って部屋へ入る。
ガチャリと音をたてて扉が開く。
「おっ来た！」
中に居たのは宗くん…ってどちら様方ｯｯｯ?!?一目見て想像の十倍の人が居たためパニックになる。そこで何を思ったのか私は、
「あ、えと……間違えました。」
と言い、お辞儀をして扉を閉めてしまった。
「ｱ、ﾔｯﾁﾏｯﾀ」
今更現実に戻ってももう遅い。今更中に入ることなど不可能、うん。よし、席に行くか!!
「……Aちゃん」
「ﾋﾟｯ…(絶命)」
いきなり腕を掴まれたので、声とも言えない変な音が自分から出る。掴まれている腕の先を見るとそこには、
「…宗くん」
扉から顔と腕だけを出している彼がいた。彼の手は私の手首を掴んでいる。え、いやなんか凄い申し訳無い。