二人は友達 (ページ20)

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『はい！村上さんって凄い人だったんですね！あ、じゃあ忙しいんじゃ…すみません、急に電話かけてしまって。』
改めて褒められると心がむず痒い。後皆からの視線が恥ずい。
「…いや、今丁度休憩だったから大丈夫だよ。ただ…」
何で俺はこんな事言ったんだろう。大丈夫だよ、までで良かったのに。このままだと…
『…ただ？』
ほら、心配させてしまった。そんなつもりはさらさら無かったのに。
「あ、ほら、その取材の時本調子じゃなかったから余りいい姿見せられないかもって思って…」
違う、本当はこんなことを言いたいんじゃない。Aさんには自分の本心とか色々…俺自身をもっと知って欲しいだけなんだ。そのテレビでは分かって貰えない、もっと深いこと。
『何を言ってるんですか大丈夫ですよ。村上さんはいつもカッコイイんですから。私が保証しますよ！』
その言葉を聞いた瞬間、自分の中にあったモヤモヤがスパンｯと消え去った。周りの皆が少しザワっとしたが、気にならなかった。こんなにスカッとしたのは久しぶりかもしれない。HRの記録を更新した時とはまた違う、何の他意も無い、純粋な褒め言葉が嬉しかった。正直、目の前が涙でぼやけてきた。

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