二人は友達 (ページ18)

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･村上side ページ18

朝練を終えてロッカールームへ戻ってくる。ロッカールームにあるテレビには自分が映っていた。そういえば今日が放送日だったか。テレビでインタビューを受けている自分を見ていると、何だか変な気持ちになった。見たくない訳ではないが、何となく嫌な気持ちになった。
「おっ、ムネ写ってんじゃん。もしかしてこの前の取材のやつ？」
メンバーの1人がロッカールームに入ってきて、テレビと自分を交互にチラチラ、ニヤニヤしながら見ていた。
『三冠王、そして村神様として流行語大賞にも選ばれた村上宗隆選手がWBC代表に選ばれました!!彼の今後の活躍を期待しています!!』
テレビでは丁度自分のことを紹介していた。自分は「三冠王」だとか、若き天才だとか、流行語大賞に選ばれただとかで薄っぺらく、内容も余り深くない事ばかりだった。誰も自分の核心を分かってくれない。自分がここまで来るのにどれだけ努力したか。その努力を『天才』という言葉だけで纏めないで欲しい。
♪〜
「…ん？」
ふと、自分のスマホに電話がかかってきた。画面には『A』という名前が。
「ムネどしたん？あ、もしかして…あの時の彼女？」
スマホの画面を見つめて動かなくなっている自分を不思議と思ったのか、メンバーの一人がヒョイっと画面を覗き込んでくる。咄嗟に画面を隠したが、遅かった様だ。
声を聞きつけた皆がこっちに近づいてきた。そんな事より、何故電話が？
「え、マジ？LINE交換してたん？」
「やるなムネ〜。」
いつの間にか自分の周りにはワラワラとメンバーが集まって来ていた。

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