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『…もしもし？』
何回かして電話に出てくれた。
「あっもしもし？村上さんですか？」
いや村上さんに電話かけてんだから村上さんが出るのは当たり前だろ。
『うん、そうだけど。どうしたの？』
彼は忙しい筈なのにこんな私の為に時間を使わせるのは申し訳ない。早く話を終わりにしようと思い、私は早速本題を持ち出した。
「いや、あの大した事じゃ無いんですけど。あの、今テレビ見てて、そしたら村上さんの特集がやってたので、吃驚してつい。」
うわぁ滑らかじゃねぇ〜。明らかにコミュ障の喋り方なってる〜。
『…もしかして、○チャンのやつ？』
テレビ特集って言っただけで何チャンかも分かってしまう村上さん凄すぎ。
「そうです！たまたまテレビつけたらやってて。」
『見てくれてるの？』
はい、もうバッチリと。テレビの前で正座してます。
「はい！村上さんって凄い人だったんですね！あ、じゃあ忙しいんじゃ…すみません、急に電話かけてしまって。」
『いや、今丁度休憩だったから大丈夫だよ。ただ…』
え、もしかして何かダメだった!?私の聞き方か!?
「…ただ？」
『その取材の時本調子じゃなかったから余りいい姿見せられないかも。』
…なんだ、そんな事？
「何を言ってるんですか大丈夫ですよ。村上さんはいつもカッコイイんですから。私が保証しますよ！」
私がそう言った瞬間、村上さんの方が少しザワついたような気がする。もしかしたらそろそろ休憩が終わりなのかもしれない。
『…ありがとう。』
村上さんが返答するのに少しタイムラグがあった。やっぱ休憩終わりです〜って教えに来た人が来たからか。これは早く電話切らないとだね☆これ以上は迷惑になっちゃう☆
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作者名：吹雪鬼 | 作成日時：2023年5月3日 14時
