出会い 主side ページ2
『ジャッバーーン!!!あはははは笑』
私のスマホからは水に何かが落ちる音とそれと同時に笑い声が聞こえる。推しのグループの1人が池に落ちたのだ。私の推しはその事を心配しながらも大きな声で笑っていた。笑顔好き。マジ可愛よ。
「…今日も今日とて推しが尊い。」
動画を見ながらそんな事を呟いた私の隣から、はぁ、とため息が聞こえた。
「今だけでもスマホなんて見ないで彼氏でも探して来なさい。」
父だ。今、私達は父が必死にコネを使って野球関係者等が集まる親睦会の様なパーティに参加している。父曰く、何か今度野球の大きな大会が開催されるらしい。まぁ私のようなオタクには関係の無い事だが。会場はドレスコードがある感じのめちゃんこ華々しい場所だ。私の様なデブチビブスには眩しすぎる。一応ドレスみたいなやつ借りたのを来てきたけれども。なんで私着いてきたんだろう。絶ｯｯ対場違い。後悔。ふと父は、
「もしかしてあれって栗山監督!?ちょっと、父さん行ってくる!!!」
と言って立ち上がりお目当ての人の方へ早足で向かっていった。
「あ〜はいはい、行ってら。」
父に向けて言った言葉だが、本人に届いてるかは知らん。多分届いてないと思うけど。ま、そんなことは関係ない。5分後には推しの生配信が始まるのだ。有線イヤホンをつけてこのまま待ってようと思ったが、流石にこの華々しい会場の真ん中に突っ立って見る害悪オタクでも無いので、隅にあった椅子に向かい座った。
ｸﾞｩ…と私のお腹から音が鳴った。流石に何も食べてないのは応えるので、ビッフェ形式のおかずを取りに向かった。
※当たり前だが、スマホはバックに隠してイヤホンも外したよ♡
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作者名：吹雪鬼 | 作成日時：2023年5月3日 14時
