自称兄に攫われた【文豪ストレイドッグス】【中原中也】

告白 ページ5

…………はぁぁぁぁぁぁぁぁあ？！


「…」




おそらく私は今、表情筋が死んでいるに違いない。
何から話していいかも分からず、ただただ少し口を開けたままフリーズしてしまう。




「お、おい！なんか言えよ？！」




なんか言えよって言われたって…





「あ、兄ってなんですか？！急に攫われて、誘拐犯に兄とか言われて？！どう反応すればいいかなんて分かりませんよッ」





もうほんとに…なんなの…？




自分がどうなるのかという不安、どうしたらいいか分からず、不満をぶつけてしまった。

やってしまったという後悔とは矛盾して、言い切ってスッキリした自分がいるのは確かだった。





「まぁ、仕方ねェな…。変なこと言って悪かった」






本当だ、なんて思いながらも表情からしてこの人の言っていることは嘘ではない、なんて思える。
それでも、突然自分は兄だなんて言われても信じ切れるわけもなく、私は…









「…話、最後まで聞いてませんでした…。信じられませんけど、話してください」


「！…おう」







この人の話を聞いたら、“平凡な日常”は戻ってこない気がしたけれど、何故だか嫌な気はしないのだから不思議だ。


まぁ、攫われて突然誘拐犯に兄だなんて言われた時点で、もう普通じゃないのだけれど。


「あー、俺は中原中也だ。まず誘拐犯って言うのやめろ」


「誘拐犯じゃないですか…。ぁ、私は光凪Aです」



名乗ってもいいのか、そう考えたが、どうせこの状況では仕方がないし、家族もいないので名乗ることにした。


「っるせ。お前の名前は知ってる。ずっと探してたからな…」








、




、




、


______あれから話を聞いてみたが、複雑な心境だった。


幼い頃に両親が他界した私たちは、その後別々に引き取られたらしく、ずっと私を探していたらしい。


気になったのは自称兄を引き取った人達…








「ぽ、ポートマフィアって何ですか…？」



「あぁ？ポートマフィアもしらねェのかよ…」



「いやいやいや！知ってますよ？！でもあなたポートマフィアに引き取られたって言いましたよね？！」




「おう…つかここ、ポートマフィアの本部だしな」






「はぁぁぁぁぁぁぁぁあ？！」









______今度は直接私の声が響き渡った







悲報:私のお兄ちゃんはマフィアらしいです

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